カテゴリ:嫌がらせ
従業員からの嫌がらせ、ママ友からの嫌がらせ、近隣住民からの嫌がらせ、愛人からの嫌がらせ・・・。
皆さんは身近な人からの嫌がらせ被害に悩まされた経験はありませんか?嫌がらせ行為は、いつ、誰から受けても嫌なものですよね。調査事務所にもよく嫌がらせ被害の相談が寄せられていますが、特に嫌がらせ被害の相談が多いタイミングをご存知でしょうか。
それは、ゴールデンウィークや年末年始などの大型連休明けのタイミングです。
大型連休は昼夜を問わず自由に時間を使えることに加えて、周りの状況がうらやましく映ってしまうことが多いようで、連休中に嫌がらせ行為をする人が少なくないのです。
そこで今回は、もうすぐ訪れるゴールデンウィークの連休に備えて、実際にあった嫌がらせ被害の実例紹介や、嫌がらせ行為に対して考えられる罪、そしてスムーズにトラブルを解決するために重要なことをまとめていきたいと思います。
まずは、実際に起こっている嫌がらせ被害の実例から見ていきましょう。皆さん連休明けに嫌がらせ被害に気が付いて慌ててご相談にいらっしゃっていました。
皆さんもこのような被害を受けないよう、普段から人間関係のトラブルなどは厄介にこじれる前に解決するように意識したほうがいいかもしれません。
Aさん一家は毎年ゴールデンウィークの時期に家族みんなで長期の旅行に出かけています。とある年のゴールデンウィークも家族で沖縄に長期で旅行に出かけました。そのときの様子をリアルタイムでSNSに写真付きで投稿していました。
久しぶりに家族全員で沖縄を満喫し大満足で自宅に帰宅すると・・・。玄関に何やら貼り紙がしてあり、近くで見ると誹謗中傷が書き込まれた怪文書のようなものでした。
内容は、Aさんのご主人の仕事内容についての誹謗中傷やAさんの娘についての誹謗中傷、そしてAさん自身の容姿についての誹謗中傷などあらゆることを書かれていました。
内容から考えるとおそらく娘のママ友が行った嫌がらせだとわかりましたが、確固たる証拠もないので直接問い詰めることもできず、今でも恐る恐る付き合いを続けています。
その嫌がらせ被害があってからは家族で旅行に出かけてもSNSに投稿することはしないようにし、ママ友たちに妬まれたりうらやましがられたりすることのないように気をつけながら生活しているようです。
Bさんが経営している会社は中小企業ですが、営業周りに使うということで社用車を2台抱えています。
大型連休に入る前、経営陣の一人の社員と給与やポジションなどの待遇について口論になりました。待遇の改善を求めてきた社員はかなり前から会社で働いてくれていて貴重な存在ではありますが、経営状況から考えてその社員の給料をあげることは難しかったため諦めてもらうことにしました。
納得はしていないようでしたが、「もうすぐ大型連休もあることだし、連休中に頭を冷やして納得してくれるだろう」と軽く考えていました。
連休中はBさんもゆっくり休むために一度も会社には行きませんでした。連休が明けて久しぶりに会社に行ってみると、所持している2台の社用車のタイヤがすべてパンクさせられていました。
防犯カメラを確認するとなんと待遇改善を求めてきた経営陣の一人である社員が写っていました。今回は証拠もしっかりと取れていたので器物損壊としてその社員に対して懲戒処分をすることができました。
それからというもの、会社の人間を疑うことはしたくないと思いながらも防犯カメラの設置を増やし嫌がらせ対策はしっかりと行うようにしているようです。
Cさんは結婚して子供もいますが、半年ほど前に知り合った女性と不倫関係にありました。普段はできるだけ不倫相手を優先して時間も作っていますし、高級なレストランにも連れていき、高価なプレゼントもして尽くしていますが、連休中だけは妻に不倫を疑われないようにと家族サービスをするつもりでした。
大型連休のときは子供もつれて妻の実家に行くのが習慣になっていたので、不倫相手にそのことを告げると不満そうにしながらも納得してくれました。
妻の実家に帰省している間は子供や妻との時間を優先し、不倫相手からの連絡にはほとんど答えていなかったのですが、連休明けに罪滅ぼしをすればいいかくらいに考えていました。
連休の最終日に自宅に帰宅すると、自宅の固定電話に留守電のメッセージが大量に残されていました。無言のまま切れているものもありましたが、「家を燃やしてやる」「子供を誘拐してやる」など恐ろしい内容の留守電も含まれていて恐怖を感じました。
Cさんはすぐに不倫相手が犯人だと察しがつきましたが、妻には不倫のことを隠していますし、不倫相手だという明確な証拠はないため、嫌がらせ行為を黙認するしかなかったようです。
先ほどの章で実際にあった連休明けの嫌がらせ被害についてご紹介してきましたが、嫌がらせ行為はその内容から種類をわけて考えることができます。
ここでは、嫌がらせ行為にあたる行動の種類とその嫌がらせに対して問うことのできる罪について解説していきます。
先ほどの事例紹介でもあったように、自宅の玄関や壁、車の窓ガラスなどに嫌がらせの貼り紙をされることがあります。
この行為は、軽犯罪法1条33号に違反する行為です。また、怪文書の内容に「○○は不倫している」「○○は横領したことがある」など社会的評価を低下させるような内容が書かれている場合は名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性があります。
怪文書に「家を燃やしてやる」「殺してやる」など相手を脅迫する内容が書かれている場合には脅迫罪に該当する可能性もあります。
自家用車や自宅の壁を傷つけられたり、タイヤをパンクさせられたり、汚されたりする嫌がらせを受ける場合もあるでしょう。
この場合は、器物損壊罪にあたる可能性が高いです。訴えるためには、元通りに修理する前に被害状況がわかるように写真などで証拠を取っておくことが大切です。
無言電話というと軽く考えてしまう人も多いのですが、あまりにもしつこい無言電話を受けた被害者は、無言電話に対して恐怖心が出てきてしまい、睡眠障害や体調不良を引き起こすことがあります。酷くなると動機や息切れなどの症状が出る場合もあります。
無言電話が原因で精神的な障害を負わせた場合には、傷害罪が成立する可能性があります。また、嫌がらせ電話で脅すような内容を言っている場合には脅迫罪が成立する可能性もあります。
悪質な嫌がらせの一つと言えますが、相手に嫌がらせをする目的で動物の死骸や糞、生ゴミなどの汚物を玄関にまき散らされたり、郵便受けに入れられたりすることがあります。
このような種類の嫌がらせ行為は、廃棄物処理法16条に違反しますので、罰則の対象になります。
こちらも被害状況がわかるように片づけをして綺麗にする前に写真などで被害状況を保存しておきましょう。
近所の人たちの井戸端会議ででたらめな噂話を流されたり、ママ友同士の集まりであなたがいないときにあなたやあなたの家族の噂話を話されたりした場合、その噂話によって名誉が傷つけられたのであれば名誉毀損罪が成立する可能性があります。
基本的に名誉毀損は、不特定多数の人に事実を指摘することが成立する条件となる犯罪ですが、仮に少数の人に伝えた場合でもそこから多数の人に広まっていく可能性があれば、名誉毀損罪が成立するとされています。
上記の例でいえばどちらも多数の人に広まる可能性が高いので、噂話の内容によっては名誉毀損となる可能性があります。
嫌がらせに対してスムーズに対応し、できるだけ余計な争いを防いで解決していくためには、まず嫌がらせ行為をしてきているのが誰なのかを特定することが必要になります。
嫌がらせをする人のほとんどが自分がやっているとわからないように目撃者がいないタイミングを見計らって嫌がらせ行為をしたり、匿名で嫌がらせをしたりするので、嫌がらせの犯人を特定しそれを証明していくことが重要です。
有力となる証拠としては、実際に嫌がらせ行為をしているところを撮影した動画や写真、録音データで、なおかつ犯人がはっきりと特定できるものでなければなりません。
嫌がらせ行為の証拠や犯人を特定できる証拠がなければ簡単に言い逃れができてしまいますし、警察や自治体もスムーズに対応するのが難しくなってきます。
ただし、証拠が集められたからと言ってご自身で解決しようとすると、犯人と言い争いになって感情的になったり、暴力行為が出てきたりして、さらなるトラブルや取り返しのつかないトラブルに発展するケースもありますので、ご自身で対応するのは控えてください。
間に入って交渉してくれるような弁護士や嫌がらせ調査に対応している調査会社に依頼して解決を目指していくのがベストでしょう。
連休中は自分の時間を有意義に使って楽しめている人と、なかなか思うような過ごし方ができずに人の様子を羨ましく思っている人と分かれやすいタイミングです。普段の仕事のストレスから思いもよらない行動に出てしまう人もいます。
そのため、連休中こそ他者からの嫌がらせに注意すべきときですし、連休明けは嫌がらせ行為が発覚するタイミングになりやすいので、連休中、そして連休前はご自身の行動に特に注意を払うといいですね。
そして、もし万が一嫌がらせ行為の被害に遭った時はご自身だけで解決しようとせず、また、泣き寝入りしたりせず、弁護士や調査会社など嫌がらせ被害に対応してくれる専門家に相談することをお勧めします。