あなたは「嫌がらせの手紙」を受け取った経験はありますか?
嫌がらせの手紙は怪文書とも呼ばれていて、個人宛に送られるものもありますし、企業宛に送られるものもあります。また、直筆で書かれている場合も、パソコンなどで打たれている場合も様々です。
いずれにしても、嫌がらせの手紙を送ってくる犯人は、強い恨みや強い妬みの気持ちを持っていることは間違いないでしょう。
企業宛に送られる嫌がらせの手紙の場合は、
・会社内での評価に不満を持っている社員からの恨み
・社長や経営陣への個人的な逆恨みや妬み
・辞職した社員からの逆恨み
・ライバル会社からの妬みや嫉妬
などの動機が考えられます。
また、個人宛に送られてくる嫌がらせの手紙の場合は
・男女関係のもつれからくる恨み
・仕事上の出世をめぐる妬みや嫉妬
・子供関係の妬みや嫉妬
・近隣住民からの嫌がらせ
などの動機がありえます。
あなたに非があるかどうかは別として、嫌がらせの手紙を送る犯人はあなたに相当ネガティブな感情を抱いているため、嫌がらせの手紙の存在を放置することは極めて危険です。
嫌がらせの手紙を受け取ったらできるだけ早く犯人を特定し、適切に処理していくことが重要です。
今回の記事では、プロが実際に行っている嫌がらせの手紙の犯人を特定する具体的な方法や、犯人をより確実に特定するために依頼者がやっておくべきことについて詳しく解説していきます。
嫌がらせの手紙を受け取ると、得体の知れない恐怖が感じられていったい誰が嫌がらせをしているかわからずパニック状態になってしまうこともあるでしょう。
しかし、嫌がらせの手紙を送る犯人のパターンはある程度決まっています。嫌がらせの手紙の内容をよく読んでみれば、犯人の想定がある程度できるはずです。
この章では、犯人の可能性が高い人物のパターンをご紹介していきますので、嫌がらせの手紙を送ったのが誰なのか予測してみてください。犯人がある程度予測できれば本格的な調査を行う際に役に立ちますよ。
あなたが浮気をしている場合、あなたの愛人が嫌がらせの手紙を送ってきている可能性があります。
あなたは愛人と良好な関係を築けていると思っていても、浮気相手にされている相手は同じように順風満帆だとは思っていない場合が多いのです。
「自分には都合のいいときにしか会ってくれないのに、あの人は普段家族に囲まれてなんだかんだ楽しそうに過ごしている」と考えた愛人が嫌がらせの手紙を家に送り付けてくることもあります。
愛人があなたの自宅を知らない場合は、勤務先に送り付けてくる場合も多いようです。
パートナーが浮気している場合はパートナーの愛人が嫌がらせの手紙を送ってくる場合も考えられます。
パートナーが浮気しているかもしれないと感じられる場合は、嫌がらせの手紙の犯人調査と合わせて浮気調査を依頼すれば、不倫の事実も同時に明らかにすることができます。
ご近所トラブルを起こしたことがある場合は、近隣住民が嫌がらせの手紙を送ってくる可能性もあります。
騒音問題でもめたことがある、ゴミの出し方で言い合いになったことがある、ご近所さんとコミュニケーションがうまく取れていない、などの場合は、ご近所の人が送っているかもしれません。
近隣住民からの嫌がらせの場合、自宅の場所がはっきり知られてしまっているので、嫌がらせの手紙の他にもさらなる嫌がらせをしてくるリスクもありますので、早めに対策をしておいたほうが安心です。
道でたまたまあなたを見かけたり、SNSであなたのことを知ったりした人が、一方的に好意を寄せていてストーカー化した場合、あなたに手紙を送ってくる場合も考えられます。
ストーカーからの手紙の場合、本人は嫌がらせのつもりで書いていなくても受け取った人からすると嫌がらせの手紙になってしまうでしょう。
また、ストーカーの場合は、嫌がらせの手紙だけではなく、嫌がらせの電話やつきまとい行為をすることも多いので、身の危険を感じたらすぐに警察に相談するようにしてください。
ただ、警察も嫌がらせ被害の証拠がない場合はなかなか積極的に捜査をしてくれないことも多いため、その場合は探偵に嫌がらせ調査を依頼するなどして相手の身元を割り出し、嫌がらせ被害の証拠を取ってもらうことをお勧めします。
会社の同僚や先輩、後輩から嫌がらせの手紙が送られてくるケースもあります。あなたの会社の成績に嫉妬している場合もありますし、あなたの指導が気に食わない場合もあります。恋愛や結婚などプライベートについての嫉妬もあり得るでしょう。
会社の人間であれば、会社の個人情報からあなたの住所や電話番号を盗み見て手紙を送り付けることが可能です。
同業者のライバルがあなたのお店や会社の営業を妨害するために、嫌がらせの手紙を送り付けるケースもあります。
あなたのお店や会社に直接嫌がらせの手紙を送り付けるだけでなく、取引先や仕入れ先などの関係者にもあなたに関する嫌がらせの手紙が送られる場合がありますので、トラブルを大きくしないためにも念のため取引先や仕入れ先に確認と謝罪をしておいたほうが安心ですね。
嫌がらせの手紙のトラブルを解決するためには、犯人を確実に探し出し特定することが必要不可欠です。
犯人が特定できれば、嫌がらせ行為を止めることもできますし、場合によっては法的に犯人を訴えることも可能になります。
ここでは、プロの探偵による犯人特定方法について具体的に見ていきましょう。
嫌がらせの手紙が手書きで書かれている場合は、筆跡鑑定が有効です。
犯人は自分が手紙を出した犯人だとバレないように、わざと字を崩したり、自分の字ではないように装ったりして書いている可能性が高いですが、どんなに偽ろうとしても、字の「癖」はプロの鑑定士にかかればすべてお見通しです。
素人が見るとパッと見、犯人の字とは違うように見えても、縦線や横線の長さのバランスや曲り具合、角度などが合致点として現れ、犯人特定につなげることができます。
筆跡鑑定についてはこちらの【嫌がらせの手紙の犯人は誰?プロによる筆跡鑑定で犯人を絞る方法】の記事も参考にしてみてください。
嫌がらせの手紙が手書きではなく、パソコンやスマホで作られているケースや、印刷物から切り取った文字を貼り付けて作られているケースも少なくありません。
このようなケースの場合には、筆跡鑑定はできませんが、手紙から指紋を検出して、犯人と思われる人の指紋と照合することで犯人特定につなげることが可能です。
多くの方がご存知の通り、指紋はその人特有のもので、同じ指紋を持っている人は世界中探してもいませんし、遺伝もしません。そのため、指紋鑑定で指紋が合致したという判定が出れば犯人を特定する確固たる証拠となります。
指紋鑑定についてはこちらの【嫌がらせの手紙の犯人特定には指紋鑑定が有効|指紋鑑定の疑問解消!】にも詳しくまとめておりますのでチェックしてみてください。
先ほどの章で、犯人の可能性がある人物についてお伝えしましたが、それでもやはり嫌がらせの手紙を送ってきた犯人の心当たりがなく、誰が嫌がらせをしているのか全く見当がつかない場合もあるでしょう。
その場合は指紋鑑定や筆跡鑑定での犯人特定は難しくなってしまいます。
そんなときに効果的なのが聞き込み調査や張り込み調査です。自宅周辺で聞き込み調査をすることで、何らかの手掛かりから犯人を絞り込むことが可能です。聞き込み調査は被害者本人が行うと犯人を刺激してしまう恐れがありますし、聞き込み調査をした相手から不審に思われてしまうリスクもあります。
プロの探偵に調査を依頼すれば、怪しまれることなく有益な情報を入手することが可能です。
また、嫌がらせの手紙が自宅のポストに投函された場合は自宅周辺を張り込み調査し、別のポストから投函されていればそのポスト周辺での張り込み調査を実施することで、犯人の手掛かりや目撃情報を得ることも可能です。
嫌がらせの手紙を送ってくる犯人は、繰り返し嫌がらせをするケースが極めて多いため、再び嫌がらせ行為をしている現場を捉えることで犯人特定が可能になります。
聞き込み調査や張り込み調査によって、確実に犯人であるという証拠が掴めなかった場合でも、尾行調査をすることで決定的な証拠を掴むことや、犯人の素性や住所を調べ上げることが可能です。
また、尾行調査によって犯人につきっきりで行動することによって、嫌がらせ行為をしている動機や共犯者についても暴くことができます。
嫌がらせの手紙を突然受け取ると、誰でも必要以上に慌ててしまったり、不安になったり、恐怖を感じてしまうことはあるでしょう。
しかし、嫌がらせの手紙が届いたことでパニック状態になってしまい、冷静な判断力を失ってしまうことは犯人の思うつぼです。それでは正しい対応ができなくなりますし、犯人特定も難しくなってしまうでしょう。
嫌がらせの手紙を送ってきた犯人を特定するためには、以下にご紹介するような基本的な対処法を確実に行っておくことが重要です。
最も重要で基本的な対処法としては、まず慌てずに嫌がらせの手紙の原本を保管することが重要です。
指紋や筆跡はもちろん、紙質やインク、消印なども犯人を特定するための有力な証拠になりえますので、できるだけ素手で触らないように手袋などをして、ジップロックなどに入れて保管しましょう。
何度も嫌がらせの手紙が送られてきている場合は、どの手紙がいつ送られてきたのかもメモしておくといいですね。
嫌がらせの手紙の犯人を特定するために、警察や探偵など専門家に手紙を見せたり提供したりしなければいけない場面も多々あります。その際、原本でなければいけない場合を除いてはコピーで代用するようにしましょう。
原本は指紋鑑定や筆跡鑑定の際に必要になりますので、できるだけ原本の状態を維持できるようコピーをとっておくことが大切です。
原本の状態が最初の状態からかけ離れてしまっていると、指紋鑑定や筆跡鑑定が難しくなってしまいますので、専門家から「原本でお願いします」と言われない限りはコピーを見せるようにしてください。
嫌がらせの手紙を受け取ると、誰かに相談したくなってしまうかと思いますが、家族や専門家など本当に絶対的に信用できる相手以外には極力嫌がらせの手紙の存在は話さないようにしてください。
犯人は、あなたの反応が気になっているためあなたの言動や態度を監視している場合が多いです。そのため、相手が犯人でなくても嫌がらせの手紙のことを誰に話してしまうと犯人に漏れてしまう可能性が高くなります。
犯人からの監視が強くなると、今後取ろうとしている対策の邪魔になったり、さらなる嫌がらせ行為を受けたり、交渉が難しくなったりと、より大きなトラブルになってしまう可能性もあるのです。
また、嫌がらせの手紙の内容や筆跡から「あの人が犯人で間違いないだろう」と確信を持っていたとしても、客観的に証明できるような証拠がなければ本人に直接追及したり周りの人に話したりすることは危険です。
犯人を特定できる確固たる証拠がない状態で犯人扱いしてしまうと逆にこちらが罪に問われる可能性もあります。
嫌がらせ行為を確実に辞めさせ、根本的に解決するためにはまず犯人を特定すること、そしてその証拠を掴むことが何よりも重要になります。
犯人に対して刑事告訴したり損害賠償請求したりなど法的措置を取ることを検討している場合は特に、犯人が特定できていない限り警察や弁護士も動くに動けません。
犯人を特定するための証拠は
・自宅のポストに嫌がらせの手紙を投函する犯人がはっきりと写っている写真や動画
・誹謗中傷の貼り紙を貼っている犯人がはっきりと写っている写真や動画
・嫌がらせの手紙に残っている指紋と犯人の指紋の照合結果
・嫌がらせの手紙に書かれている文字の筆跡と犯人の筆跡の照合結果
などが挙げられます。
このような証拠は素人ではなかなか確保するのが難しいですし、自力で無理に調査をしようとすると犯人を刺激してしまい、より大きなトラブルに発展してしまうリスクも高くなります。
場合によっては自力での調査がきっかけで大切な人を巻き込んでしまうことも考えられます。
嫌がらせの犯人特定の証拠収集は探偵など調査の専門家に任せることが最もお勧めの方法です。
今回の記事では、嫌がらせの手紙を送ってくる可能性のある人物や、嫌がらせの手紙を受け取ったときの対処法、嫌がらせの手紙の犯人を特定するための専門的な手法についてお伝えしてきました。
嫌がらせの手書きを受け取ってしまった場合は、一人で悩むことなくできるだけ早く専門家に相談することが大切です。また、より確実に犯人を特定するために原本の保存やコピーを取っておくなど証拠を残しておくこともとても重要です。
嫌がらせの手紙に対しては適切に対処することで今後の嫌がらせを回避できたり、犯人に効果的に交渉していくことができたりしますので、ご自身だけで解決しようとせず、嫌がらせ調査を専門とする探偵に依頼して対処していくことをお勧めします。