カテゴリ:怪文書
「怪文書を送ってきた犯人が誰か調べてほしい」
「怪文書を送った犯人に法的措置を取って仕返ししたい」
など、自宅や会社に送られてきた怪文書が一体だれが送ってきたものなのか調べてほしいと考えている方は多いでしょう。
犯人が誰かわからなければ気味が悪いですし、今後の嫌がらせへの対策も不十分になってしまうため、怪文書の犯人特定調査は早めに行っておくに越したことはありません。
ただ、調査を依頼するとなると気になるのが料金ですよね。
今回は、怪文書の犯人を特定するための方法と、それぞれの方法でかかるであろう料金の相場についてお伝えしていきます。犯人特定調査を考えている方はぜひ料金面での参考にしていただければと思います。
怪文書の犯人を特定するための方法として、以下の方法が挙げられます。それぞれの特定方法の詳細を見ていきましょう。
怪文書が手書きで書かれている場合に有効な方法として筆跡鑑定が挙げられます。筆跡鑑定は基本的には怪文書に書かれた文字と同じ文字で鑑定を行っていく必要があります。
例えば、怪文書に「●●会社」や「お前の家を」などの文字があれば、犯人と思われる人物が書いた同じ文字を鑑定していくことになります。
文字の鑑定としては文字自体の特徴や癖を分析することに加えて、送り仮名の間違いや筆圧、筆順についても鑑定していきます。
また、怪文書に特徴的な誤字や誤用がないかも確認し、犯人を絞り込んでいく手掛かりとしていきます。怪文書に署名や住所がある場合は、各文字の配置や間隔を検査することによっても手掛かりとすることができます。
犯人は当然ですが怪文書を書いたのが自分だと特定されないように、わざと字を崩したり、自分の字ではないように装ったりして書いていますが、どんなに自分の癖を隠そうとしても他人の字をマネて書こうとしていてもプロの鑑定士にかかれば本人かどうかの特定は可能です。一文字一文字を偽って書こうとしていても全体の雰囲気を変えることは難しいのです。
筆跡鑑定は犯人と思われる人物が書いた文字との照合になっていきますので、怪文書を書いた人物がある程度想定できているときにとても有効な方法と言えます。逆に、犯人が誰かまったく心当たりがないという場合には非効率な方法になりますのでその場合は他の方法を検討していく必要があります。
怪文書が手書きではなくパソコンで書いたものを印刷している場合は筆跡鑑定はできなくなりますので、その場合は指紋鑑定が有効です。指紋は一人一人固有のものですし、成長しても形が変わることがありませんので、犯人を特定する上でとても証拠能力が高いものになります。
指紋鑑定の方法としては、まず、怪文書に残っている指紋を検出し、さらに犯人と思われる人物が残した指紋と照合していくという2つのステップが必要になります。
指紋鑑定をより正確に行うためには、怪文書はできるだけ最初に発見したときの状態のまま保管しておく必要がありますし、できるだけ早く調査をすることが大切です。また、犯人が誰かがある程度わかっていなければ、かなりの人の指紋を集めなければいけませんし、照合しなければいけない指紋の数も多くなりますので鑑定費用が高くなってしまいます。
指紋鑑定を行う際は、怪文書を届いた時の状態をできるだけ保っておくことと、犯人の目星をある程度つけておくことが必要になります。
関連記事:怪文書についている指紋を調べる|指紋の検出方法の種類
筆跡鑑定と指紋鑑定は、犯人を特定する上ではとても有効な方法なのですが、筆跡鑑定は怪文書に手書きの部分がないと鑑定できませんし、いずれの鑑定もある程度犯人の予測ができていないとかなり非効率になってしまいます。
犯人が誰なのかまったく予測ができないという場合は、張り込み調査や聞き込み調査を依頼するのが最も効率的な方法と言えるでしょう。
張り込み調査や聞き込み調査は、怪文書が送られてきた自宅や会社付近と、消印が押されている場所付近で行っていきます。張り込みや聞き込みは、一見すると自分でもできそうに感じるかもしれませんが、素人が行うとほぼ確実に周りに不審がられてしまいますし、知らず知らずのうちに非合法的な方法を取ってしまうリスクがあります。
また、周りに不審がられると同時に犯人にも調査していることがバレてしまうので、犯人を刺激してしまいさらなる嫌がらせを触発するリスクが高くなってしまいます。
プロの探偵に調査を依頼すれば、周りに怪しまれることなく手掛かりを掴むことができますし、長時間にわたって張り込みを行うことができますので、犯人の犯行現場の瞬間を抑えることもあり得るのです。もちろん、その際は犯行現場の写真や動画を撮ってもらうことができますのでそのまま証拠として使うことができます。
怪文書の犯人を特定するための方法の具体的内容を確認できたところで、それぞれの料金相場がいくらくらいになるのかを見ていきましょう。
筆跡鑑定にかかる料金相場は鑑定証明書込みで10万円~50万円以上とかなり幅があります。一概にいくらとは言いにくい理由としては、筆跡鑑定をする目的や状況、鑑定してもらう文字の数によっても大きく料金が変わってくるからです。
筆跡鑑定をする目的は
・単に怪文書を送ってきたのが誰なのか知りたいだけ
・本人に言い逃れされないような証拠として使いたい
・損害賠償請求を考えているので裁判所に提出したい
など様々で、それぞれにおいて必要となる鑑定書が変わってきます。
また、「Aさんが犯人だと思っていてAさんの文字と怪文書の文字を鑑定してもらっていたけれど、Bさんも犯人の可能性が出てきたのでBさんも文字も鑑定してもらうことになった」などという場合は鑑定料金が追加されますので、トータルの料金も多少上がることになります。
正確な料金を把握するためには、筆跡鑑定を行う目的をはっきりさせたうえで、何人分の鑑定をしてもらうのか、何文字分の鑑定をしてもらうのかを専門家の方と相談しながら確認しておくことが重要です。
指紋鑑定についても筆跡鑑定と同様、一概に「●●万円です」と言いにくいのが現状です。
相場としては15万円~65万円ほどになります。
指紋鑑定も筆跡鑑定と同様に、裁判所に提出して証拠として認めてもらうための鑑定となると費用が高くなる傾向にありますし、犯人が誰なのか知りたいだけで公的な鑑定書は必要ないという場合は料金も安く抑えることができます。
また、怪文書の現物が届いた状態をキープして保管されていて指紋の状態が良ければ鑑定がスムーズにできますので、その分費用も抑えることができますが、指紋の状態が良くなく、鑑定が困難になればその分費用も上がってしまいます。
指紋鑑定がいくらでできそうなのかについては、怪文書の保管状況と怪文書が届いてからの日数、指紋鑑定を行う目的を合わせて専門家に相談し、見積もりを取ってもらってから依頼するかどうかを決めるのが良いでしょう。
怪文書の犯人に心当たりがない場合は、指紋鑑定や筆跡鑑定は困難で時間も労力も費用もかなりかさんでしまうのでお勧めできません。その場合は、探偵による張り込み調査や聞き込み調査がお勧めです。
張り込み調査や聞き込み調査は基本的に探偵が稼働した時間によって料金が決まることが多いです。調査する時間の長さによって料金は変わってきますが、怪文書の犯人特定調査で張り込み調査や聞き込み調査を行う場合の相場としては、20万円~60万円が多いでしょう。
一般的に張り込み調査や聞き込み調査は調査員2名で行うことが基本です。(※特に張り込み調査は万が一1名の調査員がトイレや何かの理由でその場を外したときに決定的な犯行現場の瞬間があったとき、証拠を取ることができなくなってしまいますので、2名で行うことは必要不可欠なのです。)
例として、夜中の時間帯の調査を5日間行ってもらうことを想定しましょう。2名の調査員が1時間調査する料金の相場が2万円ほどなので、夜中の4時間を5日間調査してもらうとすると
2万円×4時間×5日分=40万円
となります。
これ以外にも機材費がかかる場合もありますので、見積もりをもらう際に、経費がかかるのかどうかも確認しておくと安心ですね。
怪文書トラブルは犯人を特定できなければ根本的な解決は見込めません。犯人がわかっていなければこれ以上嫌がらせをすることを辞めさせることもできませんし、刑事罰や民事で訴えて仕返しをすることもできなくなります。
何より、犯人が誰なのかわからないと気味が悪いですし、周りの人たちを信用していいかわからず人間不信になってしまい精神的にも追い詰められてしまうでしょう。
犯人を特定するための調査にはある程度のお金は必要になりますが、嫌がらせを放っておくとさらなる被害を招く恐れもありますので、できるだけ早く犯人を特定してトラブルを解決していくことをお勧めします。
依頼するかどうか決めきれていない段階であっても、専門家に相談して現状についての話をするだけでも気持ちはきっと晴れますよ。