怪文書とは、誹謗中傷や悪口が書かれた嫌がらせの手紙のことですが、このような手紙を受け取った経験はありますでしょうか?
怪文書には根も葉もない悪口が書かれていることもあり、受け取った側はとても嫌な気持ちになりますし、それほどまでに誰かに恨まれているのかと不安にもなるでしょう。また、企業に対して怪文書が送られてしまった場合、社内に不穏な空気が漂い、通常業務に支障をきたしてしまう場合もあります。
怪文書を送ってくる犯人は直接であろうが間接であろうが、確実にあなたのことを知っていて、住所も知っているということになります。そして、わざわざ怪文書を書くほどにあなたやあなたの会社に悪意を持っていると考えられますので、放っておくとさらなる嫌がらせを受ける危険性があります。
これ以上の嫌がらせを受けないために、そしてあなたの周りの大切な人を危険にさらさないために、正しく対処し、早急に犯人探しを行っていきましょう。
今回は、怪文書が送られてきたときの正しい対処法や、怪文書を送った犯人をどうやって探すのかという方法、そして怪文書の犯人探しをプロに任せるメリットについて詳しくお伝えしていきます。
嫌がらせの手紙や張り紙などの怪文書が届いたら、どのように対処すべきなのでしょうか。
怪文書の内容や届けた状況によっては刑事罰や民事上の責任を追及することができますので、犯人に対して法的措置を取ることも想定に入れながら対処していく方法をお伝えします。
怪文書が届いたら最初にすべきなのは、怪文書や貼り紙の現物の保管です。怪文書には犯人の指紋や筆跡が残っている可能性がありますし、消印などは有力な証拠となります。
怪文書をいきなり受け取ると、気味が悪いですし誹謗中傷や悪口などが書かれていて腹も立つと思うので、破り捨ててしまいたくなる気持ちはわかります。しかし、今後犯人を見つけ出しそれ相応の処罰を与えることを考えると怪文書は重要な証拠となりますので、捨てることは絶対に辞めましょう。
できるだけ、届いた時の状態を維持できるように保管してください。またいつどのような状況で怪文書が届いたのか、他に同じような怪文書を送られた先がないかどうかなどの記録も取っておくといいでしょう。
怪文書を保管する際には、手袋をして素手で触れないようにしたり、保管するときはビニール袋などに入れて保管したり、扱いには十分注意して行ってください。
犯人を特定するための調査の過程で、警察や探偵など怪文書を誰かに見せたり提供したりする場合もあります。
このときには現物の状態を維持できるよう、コピーを渡すようにしてください。そのため、怪文書の保管とともに複数枚のコピーを取っておくことも必要です。
指紋鑑定などをする場合は、どうしても現物の提出が必要になりますが、それ以外の現物である必要がない場合には、コピーを見せたり提出したりするほうが安心です。
怪文書を送った犯人は、ほとんどの場合、怪文書を送り付けた後、被害者を監視しています。自分が送った怪文書に対してどのような反応をしているのか、ダメージを受けているのか、などが気になるのです。
そのため、他人に怪文書の内容や怪文書が届いたという事実など余計なことをしゃべってしまうと、それが犯人に漏れてしまう可能性が高いです。また、信頼している人だと思って相談していても、その人が怪文書の犯人であるという可能性もゼロではありません。
仮に犯人の目星がついていても、「たぶん犯人は●●だと思うんだけど」などとむやみに話すのは危険ですので絶対に辞めましょう。犯人が誰であると思っているかということについては、話すとしても家族だけにしておき、そのほかは警察や探偵、弁護士などの専門家だけにしておくのが良いです。
犯人であると疑っていることや、警察や探偵に調査を依頼していることなどが犯人にバレてしまうと調査の妨げになる可能性が高いですし、さらに陰湿な嫌がらせをしてきてより大きなトラブルに発展することも考えられます。
上でも述べたように、怪文書の犯人は被害者を監視しているケースが非常に多いです。そのため、監視されていることを想定して行動するようにしてください。
具体的には、あまり目立つ行動は控え、犯人の神経を逆なでするような行動も控えたほうが良いです。
犯人のあなたへの恨みや悪意は、元を辿れば羨ましいという気持ちから発生していることも珍しくありません。あなたの家族構成やあなたの仕事での実績、経済力などを見て羨ましいという気持ちから妬みにつながっていることもあります。
そのため、怪文書が送られてから派手に豪遊したり、高級なレストランで飲み歩いたりという目立つ行動は避けたほうが身のためです。あまりに目立つ行動や神経を逆なでするような行動を取ってしまうと、犯人を刺激してしまい、よからぬトラブルを引き起こす原因となってしまうこともあるのです。
怪文書は多くの場合、犯人が誰かすぐにはわかりません。
「なんとなくこの人が犯人なんじゃないかな」と思っても、確固たる証拠がないので問い詰めることも謝罪をしてもらうことも、まして損害賠償請求などの法的措置を取ることもできません。
そして、犯人であることを証明するための証拠は素人の力ではまず集めることはできませんし、警察も犯人が特定されていなければ積極的に捜査してくれません。そのため、怪文書トラブルを解決し犯人を特定するためには探偵への相談がベストなのです。
探偵であれば犯人の特定も証拠集めも、専門的な技術と機材を使って確実に行ってくれますので、解決までのスピードも速いです。
探偵を選ぶ際は、嫌がらせ調査の実績が豊富にあること、そして調査報告書の内容が充実していること、追加料金などの説明がわかりやすくされているかという点を重点的に確認し、信頼関係を結べそうだと感じる探偵を選ぶと良いでしょう。
怪文書トラブルを解決し、犯人からの嫌がらせを辞めさせるためには犯人の特定が必要不可欠で、犯人探しの調査は探偵に依頼するのが最も安全で近道です。
では、プロの探偵は具体的にどのような方法で犯人探しを行うのでしょうか。また、自分でもできる方法はあるのでしょうか。
ここでは、怪文書の犯人探しにおいて証拠集めも含めた探偵の調査方法や、探偵に依頼する前に自分でもできることについてまとめていきます。
まずはご自身でもできる犯人の手掛かりの探し方です。怪文書が届いた時の状況を思い出してみてください。
直接ポストに投函された、あるいは郵送された場合、あなたの家の住所を知っているということになります。また、切手が貼られていなければ犯人が直接あなたの家まで来たということですので、気軽に来られる距離に住んでいる可能性が高いです。
また、怪文書に書かれた内容を分析してみることも大切です。どのようなことに対する不満が書かれているのか、あなたのどのような言動について書かれているのか、誰との関係を言っているのかなど、怪文書に書かれた内容を冷静に読んでいくと、犯人の可能性の高い人物が浮かび上がってくるはずです。
怪文書が届いた時は不安と恐怖、怒りなどの感情から破り捨てたくなってしまいますが、落ち着いて怪文書を読み、内容を精査してみてください。このステップを踏んでいるかどうかで、プロの探偵が調査を行うときにスムーズに進むかどうかが変わってきます。
プロ仕様の防犯カメラには性能が劣ってしまいますが、ご自身でネットなどで手に入れられる防犯カメラを設置してみるというのも1つの手です。
嫌がらせの犯人が知り合いだった場合は、防犯カメラでとらえた証拠写真で犯人を追い詰めることができますし、警察に被害届を出す場合もちゃんと取り合ってくれるでしょう。また、防犯カメラの存在があることで犯人の嫌がらせを抑制できる効果も期待できます。
ただし、ご自身で防犯カメラを設置する場合、ちゃんと犯人の顔が写るように角度を調整して設置するのが難しく、さらに犯人が変装していれば特定することはまずできません。もし、怪文書の犯人が夫や妻の不倫相手などあなた自身はまったく知らないような人物だった場合はそれ以上調査を自力で進めるのは不可能です。
防犯カメラはあくまで調査の手助けくらいに思っておいたほうが良いでしょう。
ここからはプロによる犯人探しの方法について見ていきます。
怪文書や嫌がらせの手紙が手書きで書かれているのであれば、筆跡鑑定が犯人特定に役立ちます。
筆跡鑑定は専門性の高い調査なので、探偵事務所が専門業者に委託している場合もありますので、探偵事務所で筆跡鑑定を依頼できるか、提携先があるのかどうかを無料相談の際に確認しておくと安心ですね。
参考記事:嫌がらせの手紙の犯人は誰?プロによる筆跡鑑定で犯人を絞る方法
怪文書がパソコンなどで作成されている場合は筆跡鑑定ができませんが、指紋鑑定を行うことで犯人特定が可能です。指紋は一人一人まったく違う形になっていて世界中探しても同じ指紋を持つ人はいません。成長過程によって変化することもないため、犯人を特定できる確実な証拠です。
ただし指紋鑑定を正しく行うためには、怪文書や張り紙をできるだけ最初に発見したときの状態のまま保管しておく必要があります。怪文書を手袋をつけずにべたべた触ってしまっていたり、保管状態が悪くこすれてしまっていたりすると、指紋の採取が難しくなり、鑑定もうまくいきません。
指紋鑑定も筆跡鑑定同様、専門性が高い調査なので、探偵が専門業者に委託している場合があります。筆跡鑑定と合わせて調査が可能かどうかを相談の際に確認してみてください。
参考記事:嫌がらせの手紙の犯人特定には指紋鑑定が有効|指紋鑑定の疑問解消!
筆跡鑑定も、指紋鑑定もある程度犯人の目星がついている場合や犯人の範囲がわかっている(内容から明らかに社内の人物とわかる、など)場合は効果がありますが、全く犯人の見当がつかない状態では役に立ちません。
そのような場合は、自宅のポスト周辺や近所、消印の住所付近などで張り込みと聞き込みを行って何らかの手掛かりを掴んでいくことになります。張り込みや聞き込み調査は、素人が行ってしまうと明らかに不審者に間違われてしまいますので、危険ですから辞めましょう。
特殊な訓練を積んできている探偵だからこそ、周りに怪しまれることなく自然に犯人の手掛かりを浮かんでいくことができるのです。
また、張り込み調査の際にはカメラも携帯するため、犯行中の犯人に遭遇すれば証拠写真や動画を撮ることもできます。探偵が使う特殊な機材のため、暗闇であってもはっきりと犯人の顔を写すことができ、証拠能力の高い写真や動画が取れることも期待できます。
行動調査とは、いわゆる尾行のことです。張り込みや聞き込み調査で得られた情報から犯人と思われる怪しい人物をあぶり出し、その人物の行動を調査することで、嫌がらせを行っているという確固たる証拠を掴んでいきます。
また、行動調査によって証拠だけでなく、嫌がらせをしてきている犯行の動機や犯人の住所、勤務先などを特定することも可能です。
怪文書や嫌がらせ問題は人間関係が根本にあるため、証拠を集めるだけでなく、動機が恨みなのか、嫉妬なのか、恋愛感情なのか、愉快犯なのか、をしっかりと解明していくことが根本的な解決のためには重要です。
怪文書が送られてきたとき、多くの方が「自分で探せばなんとか犯人を捕まえられるだろう」と軽く考えてしまっています。しかし、現実問題、怪文書の犯人探しはかなり難しく解決も困難です。
嫌がらせや怪文書の投函は基本的に人目を忍んで行われますし、怪文書の内容も犯人が誰かわからないように書かれているため、簡単には誰が何の目的で行っているのかを突き止められないのです。
嫌がらせの犯人特定が難しい理由としては、犯人を特定するための張り込みや尾行調査にはプロの専門的なスキルが必要であることが挙げられます。
「自分で張り込んで写真を撮れば証拠がつかめる」と考えてしまうかもしれませんが、犯人にバレずに張り込みを行い確実な証拠をつかむのは、素人の技術ではまず無理でしょう。また、多くの嫌がらせが夜中に行われるため、毎日夜中まで張り込みを行うことも現実的ではありません。
張り込み調査や尾行調査が犯人にバレてしまえば、犯人からの嫌がらせがエスカレートする可能性もありますし、犯人を捕まえるチャンスが今後一切失われてしまう可能性もあるのです。
自分で犯人探しが無理なら警察に頼もうと考える人も多いですが、実際には警察が嫌がらせや怪文書トラブルで積極的に動いてくれることはまずありえません。なぜなら、警察は慢性的に人手不足で、より事件性が高く緊急性の高い案件に警察官を配置しなければならないからです。
もちろん、警察に相談に行けば被害届を受け付けてくれますし、熱心な警察官であればパトロールの回数を増やすなどの対策をとってくれますが、犯人特定や証拠集めには至らないことがほとんどなのです。
怪文書の内容から、ある程度犯人が自力でわかることもあるでしょう。たまたま、嫌がらせの現場に居合わせて犯人が誰なのかわかる可能性もゼロではありません。
しかし、犯人であるという言い逃れのできない証拠を掴まない限り、問題の解決にはなりません。犯人が誰かわかっても証拠がなければ警察は捜査に踏み切ってくれませんし、弁護士も法的手続きを取ることができないのです。
「警察や弁護士が動いてくれなくても自分で直接話に行ってやる!」と考える方もいるかもしれませんが、怪文書を送ったり嫌がらせをしてきたりする大元には根強い恨みや妬みなど悪意がある場合が多いので、当事者同士の直接の接触や話し合いは非常に危険です。
ケガをしたり、最悪命を落とす可能性もありますので、自分たちだけで解決しようとするのは絶対に辞めましょう。
怪文書の犯人探しはプロの探偵に依頼するのが一番確実で安全です。他にもプロに任せるメリットはたくさんあります。
まずは、犯人であることを特定するための証拠が揃うということ。調査員が張り込み調査をしたり、暗視カメラを設置したりするなどして確実に証拠写真を撮ってくれます。また、万が一犯人が逃げたとしても探偵であれば追跡して身元を割り出すことができるのです。
そして、肉体的にも精神的にも犯人探しは負担が大きいものですが、探偵に任せればそのような負担をご自身で背負う必要はありません。肉体的にも精神的にも疲れ切ってしまったら、普段通りの生活を送ることが難しくなってしまい、学業や仕事にも悪影響が出てしまうでしょう。
探偵に調査を任せるメリットには、普段通りの生活を送りながら最短で犯人を捕まえることができるという点もあるのです。
怪文書や嫌がらせ解決のための調査は、探偵が得意としている分野の一つです。警察はなかなか動いてくれませんし、かといってご自身で調査を行うのは負担が大きすぎる上に非常に危険です。
また、犯人の動機は人間関係のもつれや嫉妬・妬みなどの精神的な部分の問題も大きいため、犯人を捕まえるだけでなく、探偵によるアフターフォローも必要になってくるでしょう。
皆様が怪文書や嫌がらせの問題を安全に解決し、これまで通りの平穏な生活を1日でも早く取り戻せることを心から願っています。