カテゴリ:嫌がらせ
春になると引っ越しをする人が増えますよね。転勤して単身赴任をする方や新しく大学生活が始まって一人暮らしを始める方も多いでしょう。
新しい住居で新しい生活が始まると思うととてもワクワクするものですが、中には引っ越し先で近所トラブルに巻き込まれてしまうケースも少なくありません。
近所トラブルが深刻になってしまうと再度引っ越しをしなければならなくなることもあり、費用も時間も労力も余計にかかってしまいます。
今回は、引越しの多い春の季節に合わせて、引っ越し先で近所トラブルに巻き込まれないためにできることや、万が一近所トラブルになってしまった場合の相談先、そして最近利用者が増えている引越先でのトラブル防止のための「近隣調査」について解説していきます。
色々な人が住んでいるマンションやアパートではさまざまな近所トラブルが起こりやすくなります。戸建て住宅の場合は、すでに近所同士のつながりが強くできているため、その環境の中に引っ越しをしていくこともハードルが高いでしょう。
この章では、近所トラブルは具体的にどのようなことが原因で起こっているのか、代表的なものを見ていきましょう。
近所トラブルの事例として最も多く報告されているのが騒音トラブルです。
単に騒音と言っても騒音の種類もさまざまで、大声での話し声や喧嘩の声、大音量のテレビや音楽の音、洗濯機や掃除機などの生活音、子供の泣き声などが挙げられます。あなたが騒音被害に遭うことも考えられますし、知らず知らずのうちにあなた自身が騒音を出して周りに不快感を与えてトラブルに発展することもあります。
また、質の悪い隣人の場合、寝ている間に不注意で壁に頭をぶつけただけなのに、隣人が壁を叩かれたと勘違いをして怒鳴り込んでくるようなケースもあります。
ゴミの出し方などのルールについても近所トラブルに発展しやすいので注意が必要です。トラブルになりやすい理由としては、ゴミ出しについての各地域で定められているルールを守らない人がいるために、ゴミが収集されずに残ってしまい、そのゴミを猫やカラスが漁って散乱してしまうことです。
自分はルールを守っているのに、ルールを守っていないあの人のせいで自分も苦労しているとなると、直接注意しに行ってトラブルに発展してしまいます。
ゴミトラブルがエスカレートすると、出したはずのゴミ袋が家の前に戻されてしまったり、わざと生ごみを玄関前にまき散らされたりなどの嫌がらせをされる被害を受けてしまう恐れがありますので、引越先では新しい地域のゴミルールにしっかりと従うようにしましょう。
近所トラブルにはニオイ問題もよく取り上げられますが中でもタバコはニオイ問題の代表例です。
ベランダやバルコニーで喫煙しているとどうしても近隣の部屋にニオイが流れてしまいます。特に夏場は窓を開けて生活する人も多いですが、近所からのタバコのニオイがしてくるからエアコンを付けなければいけなくなり、電気代が上がってしまうという点でクレームをつけたくなってくるのでしょう。
また、ベランダで洗濯物を干している人も多く、タバコのニオイが洗濯物についてしまうというトラブルもあります。
タバコのニオイに関してはあなた自身が周りに不快感を与えてしまい近所トラブルになることも考えられますし、近所の人が嫌がらせでわざとあなたの部屋の窓が開いているときにタバコを吸ってニオイを出すなどの被害もありえます。
近所トラブルは単に近隣住民と人間関係が悪くなってしまう、口論になってしまう、などの単純なものばかりではなく、もっと深刻な嫌がらせ問題に発展することも多くあります。
これまで当事務所にご相談に来られた方の中にはかなり陰湿な嫌がらせを受けた方も多くいらっしゃいました。近所トラブルがエスカレートすると以下のような被害を受ける可能性がありますので十分に注意しなければいけないでしょう。
・深夜にわざと大声や大音量の音を出される
・ポストに異物を入れられる
・玄関先にゴミをまかれる
・自転車の空気を抜かれる
・自動車を傷つけられる
・庭やベランダにゴミを投げ込まれる
はじめは些細な近所トラブルであっても、放っておいてしまうと傷害事件や殺人事件などの重大な事件に発展するケースも最近は少なくありません。自分には全く非がないと思っていても相手はそう思っていないことが多く、悪質な被害に遭う可能性もありますので、他人事と思わず最悪のケースを想定して慎重に行動することが大切です。
特に、一人暮らしの場合は、万が一の時に頼れる人が近くにいないですし、ドアの開閉音だけで部屋にいるかどうかがわかってしまうのでより注意しなければいけないと言えます。
引っ越し先にはどのような隣人が住んでいるかわからないため、引っ越ししてから近所トラブルの深刻さに気が付くことも少なくありません。
近所の住人とトラブルになることは想像以上にストレスのたまるもので、うつ病の原因になってしまうこともあり、できる限り近所トラブルの起こらなさそうな場所に引っ越しをしたいものです。
そこでこの章では、引っ越し先で近所の人たちとトラブルにならないように前もってできる対策をご紹介していきます。
まずは入居を考えている物件を管理している不動産屋に入居者について質問して探ってみましょう。個人情報保護の関係で氏名などの詳細は答えてくれないはずですが、「以前、引っ越し先で酷い近所トラブルに巻き込まれた経験があるので、事前にトラブルの可能性について知っておきたいのですが、住んでいる方の世代や性別、国籍だけでも教えてもらえませんか?」と聞いてみると簡単にでも情報をくれる可能性が高くなります。
引っ越し先がマンションやアパートの場合、事前に建物名をインターネットで検索することも有効な対策です。
「マンションノート」というサイトでは物件ごとに以前住んでいた住人や現入居者の生の声を公開しています。悪い口コミだけでなく良い口コミも確認できますので、引っ越し先として適しているかどうかの判断もしやすいでしょう。
悪い口コミがある場合は近所トラブルにつながるような内容かどうかをチェックすることで、トラブルに巻き込まれる可能性を下げておくことができます。
入居者がいるのにチラシがたまりっぱなしになっているポストがないかどうか、ゴミ置き場はきれいに掃除されているかどうかもチェックしてみましょう。
ゴミ置き場に未回収のゴミが残っていたり、虫などが湧いたりしていれば、そのマンションの入居者の情報も予想することができるはずです。
エントランス前やマンションの建物付近は喫煙を禁止されていることが多いですが、そんな中でルールを守っていない入居者がいると建物付近に平気でポイ捨てされたタバコの吸い殻がたくさん落ちていることもあります。
タバコをここで吸ってはいけないという簡単なルールすら守れない住人がいるということですので、一つの参考材料になるでしょう。
掲示板やエレベーターの内部に貼られている貼り紙の注意事項についても見ておくと引っ越し先として適しているかどうかの判断材料になります。
「注意書き」の貼り紙の内容を見かけたら、実際にその行為をやっている人が現在も住んでいるか過去に住んでいた可能性が高いという証明になります。
例えば、「エレベーター内で小便はしないでください」「マンションの建物にカッターで傷をつけないでください」などの注意書きの貼り紙がされていれば、引っ越し後に大きな近所トラブルに巻き込まれてしまうリスクが高いと判断できるでしょう。
マンション専用駐車場を確認し、やんちゃな感じの車がある場合も注意したほうがいいでしょう。車高を極限まで下げている車やフルスモークにしている車、ナンバーを折り曲げている車には注意が必要です。
このような車に乗っているから100%トラブルメーカーとは断言できませんが、チェックしておくに越したことはないでしょう。
部屋を内見するときは、なるべく夜遅くの時間帯にもしてみるといいでしょう。不動産屋さんと一緒に行く内見はほとんどが朝か昼の時間帯だと思いますので、住んでいる住人たちや隣人になる可能性のある人が出かけていることが多いです。
そのため、住人たちが帰ってきている可能性が高い時間帯に内見してみて、騒音がどれくらい聞こえるのかをチェックするだけでも近所トラブルの可能性を前もって把握することができます。
引っ越し先で近所トラブルに巻き込まれないための対策として最も効果的で確実なのは探偵に事前に近隣について調査を依頼する方法です。
探偵に調査を依頼する方の多くが、引っ越し先で近所トラブルに巻き込まれてしまった後に法的措置を取りたいから嫌がらせの証拠を掴んでほしいという要望をお持ちなのですが、トラブルに巻き込まれた後では解決するまでに時間がかなりかかりますし、費用も労力もかかってしまいます。
そのため、リスクヘッジとして引越前に隣人についての事前調査を行う人も最近は増えてきています。
引っ越しした後にご近所さんとうまくいかずにトラブルになってしまうこともありますよね。そんな時は当人同士で解決しようとせずに第三者や専門機関に間に入ってもらうことをお勧めします。
まずは、管理会社に連絡をしましょう。間違っても絶対に自分で直接話し合いをして解決しようと思わないほうがいいです。お互いが感情的になり傷害事件など重大な事件に発展してしまうリスクが高くなります。
管理会社に連絡し、「騒音に悩んでいる」「ゴミの出し方で揉めている」などと相談をしてみてください。
管理会社に連絡して管理会社から本人に注意してもらったけれど解決しない場合は役所の生活課に相談してみてください。
騒音トラブルとゴミ屋敷問題には役所もかなり積極的に動いてくれる傾向があります。騒音トラブルであれば音のデシベルを測れる機材を貸してくれることもあります。
近所トラブルがエスカレートして物を壊されたり、家や車を傷つけられたり、室内に侵入されて窃盗されたりした場合には刑事事件として訴えていくことが有効です。少しでも怖いと感じて身の危険を感じたら警察署の生活安全課まで連絡するといいでしょう。
その場ですぐにどうこう解決してもらえることはなかったとしても、連絡しておくことで相談記録ができるので、今後、緊急事態で連絡した際に有利に働いたり、立件につなげてくれたりすることが期待できます。
近所トラブルが悪化して嫌がらせ行為が酷くなった場合は、刑事事件として立件したり、損害賠償請求などの民事事件として訴えたりする必要が出てくると思いますが、その時のために探偵に嫌がらせ行為の証拠を集めてもらうことも重要な対応策です。
警察も弁護士も証拠があるのとないのとでは対応のスピードや手厚さが変わってきます。嫌がらせ行為の証拠は素人ではなかなか掴めませんし、あなた自身が行うことは危険ですので、プロの探偵に調査を依頼することをお勧めします。
せっかく高いお金をかけて土地や家を買ったのに近所の人とうまくいかずにトラブルに巻き込まれるのは嫌ですよね。また、お子さんやパートナーが一人暮らしを始めるにあたって引っ越し先にトラブルを巻き起こすような人物がいないかどうか心配になると思います。
そこで、引っ越し先の近所トラブルを防ぐために前もって近隣調査を依頼するのも一つの方法です。
確かに近隣調査にもお金がかかりますが、引っ越しした後に近所トラブルに巻き込まれて再度引っ越しをしなければならなくなると時間もお金も労力も余計にかかってしまいますので、引っ越す上での保険と考えて近隣調査を依頼するのもお勧めです。