カテゴリ:誹謗中傷
もうすぐ皆さんが待ちに待った連休、ゴールデンウィークが始まりますが、連休中の予定は決まっていますか?
旅行に出かける人、恋人とデートを楽しむ人、一日中ゴロゴロする人、様々だと思いますが、連休中に気をつけたいのがSNSとの距離感です。
連休中はいつも以上にSNSを閲覧したり投稿したりする人が増えるため、SNS上の誹謗中傷被害も増える傾向にあります。特に、連休中に旅行に出かけているところの写真を投稿したり、恋人や家族と充実した時間を過ごしているアピールをしたりすると、反感を買って誹謗中傷を受ける可能性もあるのです。
また、連休中はリフレッシュできる時間であるとともに普段の仕事のストレスが発散しやすい面もあるので、余計にSNSで誹謗中傷トラブルが起きやすいと言われています。せっかくの連休に誹謗中傷トラブルに巻き込まれないよう、SNSとの距離感を考えたほうがいいかもしれませんね。
今回は、SNSでの誹謗中傷被害の実態や、連休中こそSNSでのトラブルに注意すべき理由、そして万が一SNSで誹謗中傷を受けてしまった場合の相談先について解説していきます。
弁護士紹介サイトとして有名な弁護士ドットコム株式会社が「インターネット上の誹謗中傷に関する実態と意識」に関する調査を行っています。
ここでは、その調査結果をもとにSNSでの誹謗中傷被害の実態を見ていきましょう。
弁護士ドットコム株式会社が自社の会員1355人に対して行った調査によると「ネット上で誹謗中傷をしたことがありますか」という質問に対して13%が「誹謗中傷をしたことがある」と回答しています。
また、性別や年代で内訳を見てみると「50代男性」が24.4%で最も高く、続いて「40代男性」が22.7%、「30代男性」が14.2%、「40代女性」が9.7%、「30代女性」が8.0%となっています。
この結果を見ると、中高年男性がネット上での誹謗中傷の加害者になる傾向が強いということがわかります。
なぜ加害者たちはSNSで誹謗中傷をするのでしょうか。上記の調査で誹謗中傷をする動機について質問したところ、「正当な批判・論評だと思っていた」が51.1%で最も多くなっています。
続いて「イライラする感情の発散」が34.1%、「誹謗中傷の相手方に対する嫌がらせ」が22.7%となっています。
中高年男性の多くが正当な批判だと考えてSNSに投稿し、それが結果的に誹謗中傷となっているようです。つまり本人たちは悪いことをしているという自覚がないのです。
また、2番目に多い動機については普段仕事などでストレスを抱えているビジネスマンが、そのはけ口として顔の見えない相手を攻撃することで自信のストレスを発散していることがわかります。
SNS上での誹謗中傷トラブルは少し前から叫ばれていて、年々増加傾向にあります。常に注意すべきトラブルですが、特に連休中などSNSに触れる時間が長くなりやすいタイミングで被害も増えていきやすいです。
一昔前までは、ゴールデンウィークなどの大型連休は海外旅行や国内の温泉旅行などを楽しむ機会となっていましたが、新型コロナウイルスの影響で連休を自宅で過ごす人が増えています。
自宅で連休を過ごすとどうしてもスマホを触る時間が増えますよね。暇つぶしにSNSを見ているうちに特に悪気もなく誹謗中傷にあたるような投稿をしてしまうのでしょう。
また、自分は外出を控えているのに連休で旅行に出かけている投稿をしているユーザーに対して感染防止をするべきという正義感から誹謗中傷の投稿をする人も多いようです。
普段仕事でストレスを抱えている人はその憂さ晴らしとしてSNSで誹謗中傷を書き込んで発散しているケースもあります。
特に、TwitterやInstagramなどは匿名でも登録できるため、実名を明かさずに投稿することができ、誹謗中傷をしても誰が加害者なのかが特定できないと考えてしまうことが、誹謗中傷を誘発させているのです。
連休中に何気なく見ているSNSで、知人や同僚が幸せそうな投稿をしているとうらやましくなって攻撃したくなる人もいます。
なお、知人や友人、同僚の投稿に対して誹謗中傷をして攻撃するために、自分が誰かわからないように専用の「裏アカウント」を作っている場合もあります。自分の投稿に誰かわからない人から誹謗中傷を受けると気味が悪いですが、もしかしたら近しい人間があなたを攻撃している可能性もあるのです。
連休を満喫していることをアピールしたいところですが、投稿内容には少し気を付けたほうがいいかもしれませんね。
SNSで誹謗中傷を受けてしまうと誰が攻撃しているのかわからないため、周りの人たち全員が敵に見えてしまいますよね。誰も信用できない状況はとても辛いと思いますので、信頼できる専門家に相談してすぐに対処していくことが大切です。
ここでは誹謗中傷被害を受けた時のお勧めの相談先についてご紹介していきます。
1つ目は法務省の人権擁護機関が運営している相談窓口です。パソコンやスマホから相談フォームに必要事項を入力するだけで相談が可能です。
相談フォームで送信すれば後日法務局からメールや電話でアドバイスを回答してくれます。
関連サイト:法務省|インターネット人権相談受付窓口
警察が運営しているネットトラブル専用の相談窓口です。警察本部に置かれているこちらのサイバー犯罪相談窓口では、メールや電話で誹謗中傷トラブルについて相談することができます。
関連サイト:都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口一覧
セーファーインターネット協会はインターネット企業が有志で運営している組織です。誹謗中傷について相談できるのはもちろん、国内外のプロバイダーに対して誹謗中傷の投稿の削除対応を促す通知をおこなってくれます。
あなたが受けた誹謗中傷被害の内容がSNS運営会社の利用規約に反している場合はこちらへ相談することで解決できる可能性が高いでしょう。
関連サイト:セーファーインターネット協会
SNSで誹謗中傷を受け法的措置を考えている場合は弁護士に相談するのがベストです。弁護士に相談すれば、誹謗中傷にあたる投稿を削除するよう加害者に交渉したりサイト管理者に請求したりしてもらえます。
また、誹謗中傷の投稿をした加害者が特定できていれば、損害賠償請求することや、警察に告訴して処罰を求めることも可能です。
ちなみに、損害賠償請求をした際の金額ですが、誹謗中傷内容が名誉毀損にあたる場合は、被害者が個人のケースで10~50万円、被害者が企業や事業主のケースで50~100万円だといわれています。誹謗中傷の投稿が侮辱罪にあたる場合は1~10万円程度となります。
これらの金額はあくまで相場ですので、ご自身が受けた誹謗中傷被害の場合、損害賠償請求がいくらになるのかは直接弁護士に確認してみるのが確実です。
誹謗中傷被害に対して本格的な法的措置を検討している場合、弁護士に相談するとともにSNSトラブルに強い探偵にも相談しておくことをお勧めします。
SNSでの誹謗中傷は匿名で行われることがほとんどで、法的措置を取りたくても相手が誰かわからないことが多いのです。弁護士は損害賠償請求や慰謝料請求の手続きのプロですが、加害者を特定する調査は探偵に依頼するほうがいいでしょう。
仮に、誹謗中傷の投稿や書き込みを行っていたカウントが匿名の裏アカウントだった場合やアカウントが削除されていた場合であっても探偵の独自のネットワークや調査技術を使えば加害者を特定していくことが可能です。
ただ、調査に必要なIPアドレスなどのデータは一定期間経つとデータが消されてしまうため、誹謗中傷被害を受けたらできるだけ早く探偵に調査の相談をすることが重要です。
連休中、どこかに出かける予定がないとどうしてもスマホでSNSを流し見してしまいますよね。また、連休中に起こった出来事など何気ない内容を投稿したくなるかもしれません。
しかし、SNSにどっぷりつかりすぎてしまうと誹謗中傷をはじめとする様々なトラブルに巻き込まれる確率も上がってしまいます。
せっかくの連休に嫌な思いをしないよう、また余計なトラブルに巻き込まれないよう、思い切ってSNS離れをしてみるのもいいかもしれませんね。SNSから少し離れてデジタルデトックスに挑戦してみましょう。