何かしらの理由でお別れした元交際相手。
自分としては正当な理由でお別れをしたつもりでも、相手は納得せずに逆恨みをしていることもあります。
そして、そんな元交際相手からの脅迫に頭を抱えている方は少なくないでしょう。
「家まで行ってお前を殴ってやる」
「殺してやる」
「実家まで押しかけてやる」
「裸の写真や性行為の動画をネットでばら撒いてやる」
「不倫していたことを会社にばらしてやる」
「奥さんにすべてばらして家庭を壊してやる」
このように元交際相手から脅迫され、復縁を迫られたり金銭を要求されたりしている場合、どうすれば解決するのか、どうすればこの恐怖から逃れられるのかわからず、大きな不安を抱えてしまうでしょう。
元交際相手からの脅迫は、愛情の裏返しとなっている恨みの気持ちが強いため、そう簡単には解決しませんし、時間が長引くほどに嫌がらせの内容がエスカレートし、最悪の場合命の危険を冒してしまうなど、取り返しのつかない事態になることもあります。
元交際相手から脅迫されている場合、必ず正しい方法で対処していくことが重要です。今回は、元交際相手から脅迫されたときに絶対にとってはいけないNG行動と今すぐとるべき正しい対処法について詳しく解説していきます。
ご自身や大切な家族の身の安全と生活を守るために、ぜひ参考にしてください。
元交際相手からの脅迫といっても状況によって様々な脅しの方法があります。ここではよくある脅しのパターンについて見ていきましょう。
「このまま別れる気なら、お前の裸の写真をネットでばら撒いてやる」
「性行為中の動画を会社にばらまかれたくないなら●●万円払え」
「前にプレゼントしたネックレス代の●●万円返せ」
「別れたらお前を殺す」
「別れたら自殺してやる。お前が殺したんだからな」
元カレや元カノからの脅迫では上記のような脅しが多く見受けられます。
付き合っていた頃は、恋人同士ですのでつい心を許してプライベートな写真を送ったり、行為中に撮影を許してしまったり、高価なプレゼントを贈ったりしたこともあったかもしれません。
しかし、そのような恋人同士ならではのものが、お別れして関係が悪化してしまうと、脅迫するための道具に変わってしまうのです。
あなた自身に奥さんや旦那さんがいる状態で他の異性と肉体関係を伴うお付き合いする場合、それは不貞行為でありいわゆる不倫です。
不倫は、民事の法律上、違法行為ですので、仮にそれが会社に知られれば何かしらの懲戒処分を受ける可能性が高いですし、本来のパートナーに知られれば慰謝料請求されたり離婚請求されたりなど問題が大きくなることは避けられません。
それを逆手にとって、別れた不倫相手から以下のように脅迫されることも多いです。
「私と別れるなら会社と奥さんに不倫をばらしてやる」
「子供ができたら認知しろ」
「子供をおろしてほしかったら●●万円支払え」
「別れてほしかったら手切れ金●●万円支払え」
不貞行為をしてしまっている手前、不倫の証拠を使って脅されてしまうとどう対処すべきか大きな不安に襲われてしまうと思います。
3つ目のパターンとしては、金銭関係で結ばれた関係である、いわゆる疑似恋愛関係だった相手からの脅迫です。
このパターンでは、疑似恋愛で相手に本当の恋愛感情は持っていないため、金銭的な要求がメインになることが多いです。また、相手は自分の要求を通すために嘘の内容を言ってくることも多いです。
例としては以下のような脅迫が見受けられます。
性行為をしたあとに「実は未成年だ。口止め料として●●万円支払え」
本来は合意のもとだったのに「性行為は無理やりさせられた」
「デートだけだと思ったのに性行為を強要された」
などと脅迫の道具に使われるケースもあります。
元交際相手から脅迫文が送られてきたら、誰でも恐怖を隠せないと思いますし、どう対応するのがいいのかわからずパニック状態になってしまうかもしれません。
脅迫文が送られた時の正しい対処法については後ほどお伝えしますが、まずはやってはいけないNG行動について確認していきましょう。
元交際相手が脅迫文を送ってくる理由のほとんどが、あなたに対する未練の気持ちや恨みの感情です。
中には、復縁したくて少しやりすぎな行動を取ってしまったケースや本当に交際時のお金を取り戻したいと考えている可能性もなくはありませんが、多くの場合、あなたに一方的に別れを切り出されて未練が残っていてそれが恨みの感情に変わってしまったことが脅迫の主な原因です。
そのため、脅迫文が送られたことを無視し、何も対応を取らないというのは危険です。
元交際相手は、「自分を否定された」「自分は何も悪くない」「自分を苦しめている相手がすべて悪い」と思い込んでいるため、そのような感情を持っている相手が脅迫している状態で、LINEをブロックしたり、未読無視したり、着信拒否をしたりするのはかなりリスクが大きい行為です。
連絡が取れなくなったら元交際相手も頭を冷やせて冷静になってくれるだろうと考えているかもしれませんが、さらに自分を否定されたと感じ、怒りや恨みの感情を激化させるリスクの方が高いです。
実際、これまでに起こった事件の中にも、元交際相手からの脅迫を無視した結果、元交際相手が復縁は無理だと悟って殺害計画を立て、実行に移してしまったというケースもありますので、脅迫文が送られてきたら無視せず後にご説明する対処法をしっかりと取ってくださいね。
参考サイト:三鷹ストーカー殺人事件
参考サイト:平野区母娘殺害事件
元交際相手から脅迫されたときに、相手に会って話をして説得しようとしたり、なだめようとしたりするのも辞めましょう。
元交際相手は、「脅せば会ってくれる」と学習してしまい、いつまで経っても脅迫行為を辞めることがなくなります。
また、どうしても相手に会わなければならない状況だとしても、相手の家に行ったり相手の車に乗り込んだり、カラオケボックスなどの密室に入ったりなどは危険ですので絶対に避けてください。
人目につかない密室はさらなる脅迫に適していますし、人目につかず当人たちだけだと、暴力の被害に遭ったり最悪の場合命を落としたりする危険もあります。
自分一人で元交際相手と話し合いをするのが危険だからと言って、共通の友人や知人を介入させて解決しようとするのもかなり危険ですので辞めましょう。
相手を脅迫するような元交際相手、特に男性の場合、プライドがかなり高い傾向にあります。
プライドが高いため「相手に別れを告げられた」→「自分を否定された」→「プライドを傷つけられた」→「自分のプライドを傷つけた相手が許せない」→「復讐してやる」となってしまっています。
そのようなプライドの高い相手に対して、共通の友人や知人を交えて解決しようとすれば、元交際相手は友人に脅迫していることが知られてさらにプライドを傷つけられた、恥をかかされた、と受け取るでしょう。
共通の友人や知人を交えての話し合いや、友人や知人に脅迫を辞めるよう説得してもらう行為は避けてください。
上記と同様の理由で、現在の交際相手に助けてもらおうとするのも危険ですので辞めてください。
元交際相手からの脅迫被害を一人で抱え込まずに、今の交際相手に相談し、話を聞いてもらう分にはもちろん問題ありませんが、今の交際相手に助けてもらう、解決を手伝ってもらう、というのはかなり危険です。
あなたの悩みを聞いて「俺がなんとかしてやるから安心しろ」と言われ、とても心強く感じるかとは思いますが、余計に話がこじれてしまいますし、今のあなたの交際相手も嫌がらせのターゲットにされる可能性が出てきます。
元交際相手からしてみれば、今の交際相手は大切な恋人を奪われた恋敵で「彼女を他の男に奪われたという敗北感」を味わうことになってしまいます。
また、脅迫文まで送ってくるような相手だと精神的に不安定になっていることも多いため、「今カレと彼女で自分のことをあざ笑っているのだろう」「俺と付き合っている頃からこいつと関係があったに違いない」という被害妄想を発してしまう可能性もあり、余計に激高してくるかもしれません。
今の交際相手が間に入ることで、さらに事態がエスカレートして解決が困難になる危険性もありますので、今交際相手という存在がいること自体を元交際相手に知られないよう注意しましょう。
脅迫文を受け取ると、恐怖心から相手の要求をのんだほうが良いのではないか?と考えてしまうかもしれませんが、相手の脅迫には従ってはいけません。
一度でも脅迫に従えば、
「脅迫すれば相手は自分の思い通りに動いてくれるのだ」と判断されてしまい、とめどなく理不尽な要求をされるようになってしまいますし、相手の支配欲や復讐心に火をつけてしまいますので絶対に従わないようにしましょう。
また、仮に「復縁は諦めるからせめて体の関係だけでも続けてほしい」と提案してくることも多いのですが、それも絶対に従ってはいけません。
脅迫後に体の関係を持ってしまうと、さらにそのことが脅迫するための道具にされてしまいますし、性行為に同意してくれたと言うことが元交際相手に「まだ復縁できる可能性があるかもしれない」とあらぬ期待感を持ってしまう原因になり、脅迫行為が激化する危険性が高くなります。
先ほどの章で、元交際相手から脅迫された時のNG行動についてお伝えしてきましたが、どう対処するのが正しいのでしょうか。
ここでは、元交際相手から脅迫文が送られたときにすぐに取るべき対処法についてお伝えしていきます。
感情をふつふつと抱いている可能性が高いです。
そのため、命の危険を脅かすほどの危険な行為をしてくる可能性も否定できません。そのような行為は、自宅周辺で待ち伏せされて襲われたり連れ去られたりすることが多いため、できれば問題が解決するまで元交際相手が住所を知らない場所(実家や共通ではない友人の自宅)に身を寄せておくのが安心です。
ただ、元交際相手があなたの学校や勤務先を知っている場合、自宅にいないことがわかったら学校や勤務先で待ち伏せする可能性もあるため、できるだけ一人での行動は避け、誰かと一緒に行動したり、人気のない場所には行かないようにしたり細心の注意を払うに越したことはありません。
身の安全を確保しつつ、できるだけ元交際相手からの脅迫を根本的に解決できるよう次なる対処法を取っていくようにしましょう。
脅迫されていることが事実であることを証明できなければ、警察や弁護士に訴えかけても動いてもらえない可能性が高いです。
そのため、専門機関にしっかりと対応を取ってもらうためにも脅迫されていることが証明できる証拠を集めていきましょう。
届いた脅迫文はもちろん捨てずに保管しておかなければなりませんし、念のためにコピーも取っておきましょう。また、脅迫されたときのメールやLINEのトーク履歴、SNSでのメッセージのやり取りもスクショするなり必ず保存しておいてください。
裸の画像や動画が送られてきた場合は、とても嫌な気分になってしまうのはわかりますが、消去せず残しておきましょう。
また、元交際相手から電話がかかってきた際は、スマホの録音アプリでそのときの音声を記録しておいてください。これらの証拠が後々脅迫されていたことを証明できる重要なものになります。
脅迫文は脅迫の事実があったことを証明するとても重要な証拠ですが、それを送ったのが元交際相手だという証拠を掴んでおく必要があります。
証拠がなければ「俺が送ったわけではない」「俺を犯人に仕立て上げるための偽装だ」と言い逃れされる可能性が高いです。
脅迫文に関する調査は、指紋鑑定や筆跡鑑定も含めて対応してくれる探偵事務所に相談するのがお勧めです。特に指紋鑑定で得られた結果は重要な証拠として認めてもらいやすいのです。
関連記事:嫌がらせの犯人はどうすればわかる?特定方法と指紋鑑定の効力
脅迫の証拠が揃ったら、いよいよ警察に対応してもらえるようになります。警察に相談すると、元交際相手への警告、逮捕やそれに伴う処罰をしてもらえる可能性があります。
逮捕までされなくても、つきまとい行為やストーカー行為などの嫌がらせ行為に対して、元交際相手に禁止命令を出してもらうことができます。
さらに、警察に相談するとその内容が「相談記録」として残ります。最初の段階ですぐに対応してもらえなかったとしても、相談しておくことで、後々何らかの事件になった場合、相談記録が裁判などで効果を発揮することがあるのです。
警察は刑事上の問題にしか対応してくれませんが、もし警察が対応してくれなくても弁護士に相談するという方法もあります。弁護士は金銭トラブルなどの民事上のトラブルでも対応してくれますし、あなたの代理人として元交際相手と対峙してくれます。
例えば、あなた自身から「脅迫文を送るのは辞めてほしい」と伝えても、元交際相手にはあまり響きませんが、弁護士が代理人として警告文書を送付すれば、一定程度の効果は見込めます。
さらに、元交際相手から「復縁しなければ慰謝料●●万円支払え」「ヨリを戻さなければ家族にばらす」などの不当な要求を受けた際も、弁護士であれば、法律のエキスパートとして法律を武器に相手方との交渉に毅然として対応してくれるでしょう。
元交際相手から脅迫文を送り付けられたら誰でも恐怖を感じますし、どう対処していいのかわからなくなってしまうと思いますが、大切なのは放置せず、できるだけ早く正しい対処法を取ることです。
専門家に相談することで、今後どのように行動したほうがいいのか、何に気をつければいいのか、どのような証拠が必要になるのかのアドバイスをもらうことができます。
お一人で抱え込まず、ご自身の判断だけで行動せず、まずはお気軽にご相談ください。