ある日突然、嫌がらせの手紙が送られてきたらびっくりしてしまいますし恐怖を感じますよね。
また、お店や会社など嫌がらせの手紙を受けたことで業務に支障が出てしまう場合もあるでしょう。
今回は、嫌がらせの手紙に対して取れる法的対処や、法的対処を取る際に注意すべきこと、そして、嫌がらせの手紙に対して探偵ができる専門的な調査方法について解説していきます。
嫌がらせの手紙の被害事例はたくさんありますが、どのような被害が多いのでしょうか。
別れた元夫や元妻、元交際相手がストーカーになってしまい、ストーカー行為として嫌がらせの手紙を送ってくることがあります。また、面識のない相手が一方的に好意をもってストーカーになってしまい、嫌がらせの手紙を送ってくることも多いです。
ストーカーによる嫌がらせの手紙の場合、手紙と一緒に動物の死骸や汚物などを一緒に送ってくるという被害も少なくありません。
会社の同僚や上司があなたの実績にひがみを持っていたり、性格が合わずに嫌っていたりすると会社で個人情報を入手した職場の同僚が、嫌がらせの手紙を自宅に送ってくるという被害事例もあります。
騒音やゴミ出しの仕方などがきっかけでご近所さんとトラブルになり、解決しないままにしておくとトラブルになったご近所さんから嫌がらせの手紙が送られるケースもあります。
同じマンションに住んでいる場合だと、マンション内の掲示板などに嫌がらせの手紙を張り出すことも考えられます。
ライバル会社やライバルのお店の人があなたの会社やお店の営業を妨害するために、嫌がらせの手紙を送り付けてくるケースもあります。
会社やお店に直接嫌がらせの手紙を送り付けてくるだけでなく、取引先や仕入れ先に嫌がらせの手紙を送ってくるという陰湿なケースも多いようです。
嫌がらせの手紙に対しての怒りが収まらず、犯人に対して法的手段を取りたいと考えている人もいらっしゃると思います。では、どんな場合にどのような法的責任を問えるのでしょうか。
嫌がらせの手紙が送られてきた場合、名誉毀損罪が成立する場合があります。
名誉毀損罪は、公然と他人の名誉や社会的評価をおとしめるような内容を示す行為をしたときに成立する犯罪で、その内容が嘘であっても本当であっても成立します。
名誉毀損罪と似ているのが侮辱罪です。侮辱罪は公然と人を侮辱したときに成立する犯罪で、名誉毀損罪と違って具体性のない罵倒の内容のときに適用される可能性があります。
お店や会社に嫌がらせの紙が貼られて売り上げが下がったり、取引先・仕入れ先などに嘘の内容の手紙を送付して信用を損なったりする場合は業務妨害罪が成立する可能性があります。
嫌がらせの手紙に「殺す」「家を燃やす」など脅すような言葉が書かれている場合には、脅迫罪が成立する場合があります。他人の生命や身体、財産などに対して、危害を加えることをほのめかして脅す内容だと判断された場合に脅迫罪が適用されます。
住居侵入罪は、正当な理由なく、また住んでいる人の許可を得ず、他人の家や建物に侵入したときに成立する罪です。
嫌がらせの手紙をポストに入れるために家の敷地に勝手に入られていたり、マンション内に無断で入られていたりした場合は住居侵入罪が適用されるでしょう。
ストーカー規制法は、ストーカー行為の被害にあった人を守るための法律で、この法律に反すると罰金や懲役が科されます。
手紙の内容からつきまとい行為をしていると判断されるとストーカー規制法違反だとされて罰せられる可能性があります。
嫌がらせの手紙が家の前に貼られたり、職場に嫌がらせの手紙が送られたりして、その内容に住所や年齢、年収、出身校、過去の交際歴や逮捕歴などが書かれていればプライバシー権の侵害と判断されます。
ただし、プライバシー侵害は刑事罰では罪に問えないので民事罰として民事的責任を追及するしかありません。
刑事罰ではなく民事罰を追及する場合、損害賠償請求をすることも可能です。嫌がらせの手紙による不法行為で生じた損害を賠償するよう、手紙を送ってきた犯人に追及することができるのです。
ただ、損害賠償請求の裁判では、犯人を特定できる証拠や不法行為の事実、生じた損害などの証拠が必要になりますので、裁判を起こす際は探偵に依頼して証拠を確保してもらう必要があるでしょう。
突然嫌がらせの手紙を受け取ってしまったら、どう対処していいかわからなくなりますよね。法的対処を取りたいと思ったら、適切に対応する必要があります。
ここではどのような対応を取ればいいのか解説していきます。
嫌がらせの手紙を捨てずに持っておくことは心理的に抵抗があるかもしれませんが、証拠になりそうなものは手紙だけでなくすべて残すようにしましょう。
損害賠償請求の裁判になったときはもちろん、警察に相談するときにも証拠は重要になりますので必ず受け取った時のまま保管しておいてください。
嫌がらせの証拠を取っておくことに加えて、犯人を特定できる証拠も必要になります。犯人がわからないと法的責任を問うことができないからです。
犯人を特定できる証拠については、自力でつかむのは難しいですし、犯人を刺激してしまい危険ですので、必ず探偵など調査のプロに依頼することをお勧めします。
身の危険を感じるような嫌がらせの手紙の場合は、すぐに警察に相談しましょう。また、刑事的責任を追及したい場合も前もって警察に相談しておくことでスムーズに対応してもらえる可能性があります。
慰謝料などの損害賠償請求をしたい場合は弁護士に相談するといいでしょう。弁護士であれば損害賠償請求をする際に必要な証拠も把握していますし、刑事罰で訴える場合の証拠も把握していますので、探偵に証拠を取ってもらう場合に適切なアドバイスをしてくれるというメリットもあります。
ほぼ犯人だと断定できるような根拠があっても、不用意に他人に話すのは危険です。不用意に犯人を追求してしまうと、逆にこちらが名誉棄損などの罪に問われることもあります。
きちんと法的に通用する証拠をそろえて警察や弁護士に相談するのがいいでしょう。
嫌がらせの手紙に対して法的対処を取る場合、犯人の特定とその証拠、嫌がらせ行為の証拠が必要になります。そして、その調査は探偵が得意としている調査で、嫌がらせの手紙の問題を解決するには、探偵に依頼するのが一番の近道です。
では、探偵に調査を依頼するとどのような調査をしてくれるのでしょうか。
もし嫌がらせの手紙が手書きで書かれているのなら、筆跡鑑定をして犯人を特定できる可能性があります。
ただ、筆跡鑑定は専門性の高い調査なので、探偵事務所が直接行っているのではなく専門業者に委託している場合もありますので事前に探偵事務所に問い合わせてみるといいでしょう。
嫌がらせの手紙がパソコンなどで書かれている場合でも指紋鑑定をすれば犯人特定につながる可能性があります。
指紋鑑定を正確に行うためには、手紙や張り紙をできるだけ最初に発見したときの状態のまま保管しておくことが重要です。また、筆跡鑑定同様、指紋鑑定も探偵が専門業者に委託している場合があります。
自宅のポストや消印の住所付近で張り込みと聞き込みをして、犯人へつながる手掛かりをつかむ調査も探偵が得意としている専門スキルです。
聞き込み調査や張り込み調査にはカメラも持っていくため、証拠写真を抑えることもできます。プロの撮影スキルで証拠能力の高い写真や動画が取れるのも、法的対処を取るうえで有利に働くでしょう。
行動調査とは、いわゆる尾行調査のことです。張り込みや聞き込み調査によって得られた犯人の手掛かりを元に、怪しいと思われる人物を尾行します。
尾行中に嫌がらせをしていた証拠の写真や動画を集めることもできますし、犯行の動機も調べることができます。
嫌がらせの手紙に対して法的対処を取りたい場合、証拠の確保は必要不可欠です。また、警察も証拠がなければ嫌がらせの手紙の捜査には積極的に動いてくれません。
嫌がらせの手紙の問題を解決するためには、まず探偵に調査を依頼し、有力な証拠を集めて警察や弁護士などの専門家に相談するのが一番です。
当事務所でも嫌がらせの手紙や怪文書の調査を行っておりますのでぜひお気軽にご相談ください。