マンションやアパートに住んでいる方はもちろん、一軒家に住んでいても悩まされることが多いのが近隣トラブル。
誰もが巻き込まれたくないと思っていますが、生活音や騒音、その他の生活マナーのすれ違いで怪文書を送られるなどのトラブルに発展することは珍しくありません。
今回の記事では、怪文書を送られてしまうほど大きな近隣トラブルになってしまう要因や、怪文書が送られた場合の適切な相談先、そして、近隣トラブルを未然に防ぐために気を付けたいことをまとめていきます。
近隣トラブルは絶対に避けたい方、すでに現在近隣トラブルでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
まずは、近隣トラブルでよくある要因についてまとめていきます。近隣トラブルの要因には典型的なパターンがいくつかあるので、それを把握しておくことで未然に防ぐことも可能になります。
近隣トラブルに発展してしまう多くのケースで、「音」が関わっています。
ドアを閉める音や足音、携帯電話のバイブレーションの音、トイレの水を流す音など、生活していくうえで仕方のない音に対して、近隣住民が不満を抱えてトラブルに発展することがあります。
また、子供の走る音や赤ちゃんの泣き声など、本人たちは仕方がないと思っていても他人からすれば「しつけがなっていない」「静かにさせろ」と不満を抱えられてしまうことも多々あります。
悪意を持って出している音ではない上に、毎日のように発してしまう音なので、解決するのが難しいトラブルと言えるでしょう。
生活するうえでどうしても出てしまう音の他にも、必要以上に大きな声での会話や喧嘩中の怒鳴り声、大音量で音楽を流す音や楽器を演奏する音も騒音としてトラブルの原因になります。
音楽を聞くのが習慣になっている方や自分の家で楽器を演奏したいという方は、事前にマンションや自宅の防音対策をチェックしておく必要があるでしょう。
ペット可のマンションの場合や一軒家の場合、動物の鳴き声やニオイ、糞尿の始末など、ペットの飼育マナーがトラブルの原因になることも多いです。
そもそもペット飼育のマナーができていない人もいれば、ペットを飼う人と飼わない人の間でペットの飼育方法についての認識に差があるため、トラブルになりやすいのです。
車を所持している場合、車の扱い方や駐車場での態度がトラブルの要因になることもあります。
・早朝や夜間に車のエンジン音がうるさい
・自分の駐車スペースに他の住人の友人が勝手に車を停めていた
・共有スペースなのに長時間車を停めていた
などを理由にトラブルに発展してしまうのです。エンジン音をうるさいと感じるかどうかは人によっても変わりますし、エンジン音を発している時間帯によっても変わりますので、車の扱い方は注意したほうがいいでしょう。
別の地域から引っ越して来た人が、引っ越した先のゴミの分別の仕方や出す曜日、時間帯などを知らずにOR守らずにトラブルになる場合もあります。
ゴミの分別方法やゴミを出す時間帯のルールについては、「誰が出したかわからないからいいや」と考えられてしまうと解決するのが案外難しい問題です。
また、各家庭から出すゴミには大いにプライバシーが含まれていますので、ゴミをめぐってのプライバシーの侵害が原因でトラブルが起きる可能性も考えられます。
タバコについては、吸う人と吸わない人で喫煙マナーについての認識に大きな差がある場合が多く、トラブルになりやすい要因と言えます。
ベランダなど自分の敷地内でタバコを吸っていても、タバコの煙が上の階や隣の部屋の窓に流れてしまうとトラブルの原因になる場合もあります。また喫煙者のマナーが悪く、禁止されている共有スペースでタバコを吸っていたり、ポイ捨てをしていたりする場合もトラブルの原因になってしまいます。
案外多いのが挨拶をめぐっての近隣トラブルです。特に、年配の方は「近所同士、挨拶するのが当たり前」と考えていますが、お子さんを持つ親は「子供には知らない人に話しかけられても答えてはだめと教えている」という方も増えています。
このような認識の差でトラブルにならないよう、関西地方にあるとあるマンションでは、マンションの敷地内では住人同士で挨拶することがルールとして禁止されたところがあります。
このルール化に関しては賛否両論あると思いますが、それほどマンションにおいての挨拶問題は深刻ということでしょう。
避けようと思っていても近隣トラブルはなかなか避けるのが難しいですよね。近隣トラブルを放っておくと匿名で怪文書を送られてしまうという、もっと大きなトラブルになることも珍しくありません。
では、怪文書が送られてきてしまったらどのように対処すればいいのでしょうか。
もし、怪文書を送ってきた犯人が分かっている場合、もっとも手っ取り早いのが、「相手に直談判する」という方法です。
しかし、怪文書をその人が送ったという証拠がなければ言い逃れされてしまう場合が多いですし、運よく怪文書を送ったことを認めてくれても、直談判しに行って逆上されたり、喧嘩になったりしてさらなるトラブルに発展するリスクも抱えています。
安全かつ確実にトラブルを解決するためには、以下にご紹介する他の方法を試したほうがいいでしょう。
近隣トラブルになってしまったら、まず管理会社が住人同士の近隣トラブルに対応してくれるかどうかを確認してください。
ほとんどのマンションで、管理会社が近隣トラブルが起きたとききちんと対応してくれるはずですが、管理会社によっては、契約の時点で「住宅における近隣トラブルには一切介入しない」と契約を交わしている会社もありますので、まずは対応してくれるかどうかを確認しましょう。
ただ、もし対応してくれても管理会社ができることには「注意する」「マンション内に張り紙を貼る」くらいにしか対応できないことがほとんどです。
また、住んでいる自治体に相談するという方法もあります。自治体には「生活課」という部署があり、そこで近隣トラブルについての相談も受け付けてくれます。ただし、こちらもあくまで相談という形なので、直接対応してくれることはありませんが、客観的な意見や法的観点から自分に何ができるか、どう対応したらいいのかの助言はもらえるので参考になるはずです。
管理会社や自治体への相談だけではトラブルが改善しない場合は、警察に相談するという方法があります。
近隣トラブルが発展して暴力を振るわれた、物を壊わされたなどの被害を受けた場合、法的な措置をとってもらえる可能性があります。ただ、警察は犯人である証拠や被害の証拠がなければ、近隣トラブルに積極的に対応してくれることは期待できません。
基本的には警察は事件性がないと動いてくれませんが、「警察相談専用電話#9110」の相談窓口では、仮に犯罪や事件、事故に至っていなくても、隣人・近隣トラブルなどの悩みごとや困りごとの相談を受け付けていますので、まずはこちらの電話相談を受けてみるのもいいでしょう。
もし相談内容から窓口の相談員に「事件性がある」と判断されれば、捜査担当に引き継いで補導などの法的措置をとってもらえる可能性もあります。
警察に事件性がないとして対応してもらえない場合は、弁護士に相談して民法の観点から対応してもらうという方法もあります。民法における不法行為とみなすことができれば、裁判所に訴えることができ、訴えが認められれば裁判所からの騒音行為の差し止めや損害賠償請求が可能になります。
ただし、この場合も法的に有効な犯人だと特定できる証拠や被害状況を示せる証拠が必要になります。証拠については次に紹介する探偵への相談で対応できます。
警察に相談する場合も、弁護士に相談する場合も、法的に有効な証拠の提示を求められるでしょう。
嫌がらせの証拠は素人個人ではなかなかつかむことが難しく、泣き寝入りせざるを得ないことが多いです。そのため、探偵に嫌がらせ調査を依頼し、適切な証拠を掴んでもらうのが一番確実です。
証拠があれば警察も動いてくれやすいですし、裁判になったときもあなたに有利な状況になるでしょう。
怪文書が届いた時、相手にしないのが一番と考えて放っておく方も少なくありません。
しかし、怪文書を送ってくるというのは、よほどあなたに対して怒りや憎しみを持っていることが想定されますので、放置するのは危険です。
怪文書が送られて放っておいてしまうと、嫌がらせがエスカレートしてしまったり、実際に危害を加えられたり、とトラブルが大きくなってしまうリスクがあります。
怪文書が送られたらそのまま放置することはせず、警察や弁護士、探偵に相談して適切に対処するのがベストです。
近隣トラブルは未然に防ぐのが一番ですが、どうすれば近隣トラブルに巻き込まれずにすむのでしょう。
この章では、近隣トラブルを防ぐためにどのようなことに気を付ければいいか、まとめていきます。
まずは自分自身で引っ越す前に確認することが重要です。
・自分のライフスタイルと周りの住人のライフスタイルに大きな乖離はないか
・駐車場などの共有スペースはきれいに使われているか
・どのような住人が住んでいそうか
をチェックしてみてください。
あなたが単身で、引っ越し先がファミリーの家庭が多い場合、騒音に感じることが増えてしまうかもしれません。共有スペースがきれいに使われていないところだと住人のマナーが悪い可能性が高くなるでしょう。
自分でも確認をするべきですが、より確実なのは探偵など調査のプロに依頼して聞き込み調査を実施してもらう方法です。
調査のプロですので、怪しまれることなく住民や近所の人に聞き込みを行って今現在近隣トラブルが起きていないか、過去に近隣トラブルはあったのか、あったとしたらどのようなトラブルでどのように解決したのかを調査してもらうことができます。
それらの調査結果を踏まえてそこに引っ越しをするのか、引っ越しをするならどんなことに気を付けるべきか対策を立てることができます。
引越前に近隣住民に挨拶しておくことも大切なトラブル予防策です。引越の挨拶は古めかしい風習だと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、案外とても大切なのです。
挨拶もなしにいきなり引っ越し作業で大きな音を立てられてしまうと周りの住民は驚いてしまいますし、「常識がない人」と印象が悪くなってしまうでしょう。
引越のときの騒音がきっかけで、何かの拍子でトラブルに発展しかねません。引越の挨拶は引っ越し作業が始まる前か、作業が終わってすぐまでに済ませておきましょう。
ご近所さんは近い距離間にある人同士なので、こちらが我慢できるところは我慢してできるだけ大きなトラブルに発展させないようにすることも大切なことです。
しかし、怪文書を送ってくるなどの嫌がらせを受けた場合はそのままにせず、すぐに探偵や警察に相談することが必要です。自分だけで解決しようとすると、相手の神経を逆なでして嫌がらせがさらにエスカレートするリスクもあります。
また、警察は証拠がないと近隣トラブルに取り合ってくれないことがほとんどなので、刑事罰で訴えたい場合や損害賠償請求をしたい場合は、事前に探偵に依頼して法的に有効な証拠を取ってもらうようにしてください。
あなたの周りの近隣トラブルが穏便に解決できることを願っています。