スマートフォンが普及してインターネットやSNSの利用者が増えてきている現代において、ネット上のトラブルは後を絶たないどころか増え続ける一方です。
そんなネットトラブルに対して警察は対応してくれるのでしょうか。現時点で警察にはどのような相談が寄せられているのでしょうか。
今回は、警察に寄せられるネットトラブルの事例やSNSでのトラブル事例、そしてネットトラブル被害に遭った時に警察のどの窓口に相談すればいいか、警察以外の相談先としてどこが適しているかについてご紹介していきます。
皆さんの中にも、実際に自分がネットトラブルに巻き込まれたという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ネットトラブルには小さい被害のものから大きな被害のものまでさまざまあります。
ここでは、警察に寄せられているよくある相談についてご紹介していきます。もし、現在同じような被害に遭っているという場合は、警察への相談も検討したほうがいいでしょう。
【一般のよくある相談事例】
・インターネットで注文した商品が届かないOR写真と全く違う商品が届いた
・ネットオークションで落札したが商品が送られず連絡も取れなくなった
・SNSで誹謗中傷を受けた
・SNSアカウントが乗っ取られたようだ
・ネット上で個人情報がさらされた
・URLをクリックしたら料金請求画面になった
【企業のよくある相談事例】
・社員のSNSが炎上して風評被害が出ている
・SNS上に取引先OR自社の情報漏洩が起きている
・SNSで商品や会社についての誹謗中傷をされた
・実在する会社から商品を購入したはずがダミー会社で料金をだまし取られた
【出会い系のよくある相談事例】
・SNSで知り合って結婚するつもりの人に金銭をだまし取られた
・子供がパパ活しているかもしれない
・SNSで知り合った人に妊娠させられた
・SNSで知り合って過去に付き合った人にストーカーされている
・SNS上でストーカーされたり脅迫めいたメッセージが送られたりしている
ネット上のトラブルはこれまで主にネットショッピングやネット詐欺という内容が多かったのですが、最近になってSNSの利用者が急増し、それに伴ってSNSでのトラブルも急増しています。
それぞれのSNSでどのようなトラブルが起きやすいのか見ていきましょう。
Twitterは軽い気持ちで投稿してしまうことも多く、炎上トラブルが起きやすいSNSの一つです。
特に、有名人や芸能活動をしている個人が誹謗中傷のターゲットにされたり、企業や店舗を持つお店が誹謗中傷のターゲットにされたりしやすいです。
企業やお店が誹謗中傷の被害を受けてしまうと、業績や売上に大きなダメージを受けるので早急に対処していく必要が出てきます。また、経営者本人のSNSアカウントだけでなく、従業員の軽い気持ちでの投稿が炎上の火種になることも多いので注意が必要です。
Facebookは基本的に本名での登録がされているSNSですので、Twitterほどは気軽な気持ちで投稿がしにくいSNSですが、実名登録だからこそのトラブルも起きやすいです。
たとえば、アカウントを乗っ取られたり、悪用のなりすましをされたりすると、自分の知らないところで金銭トラブルが起きてしまうこともあるのです。
Instagramは画像や動画の投稿がメインのSNSで、若者を中心に利用者が広がっています。Instagramでは匿名アカウントや捨てアカウントが作れるので、それらのアカウントで誹謗中傷のトラブルが起きやすくなっています。
会社に対して不満を持っている社員が、匿名アカウントで会社の機密情報や取引先の情報を画像付きで投稿するケースも存在します。
LINEは電話やメッセージなどのコミュニケーションツールとして利用している人も多いSNSですが、ブロック機能がついているため、音信不通になりやすかったり金銭トラブルや詐欺トラブルにつながりやすかったりする面もあります。
また、お子さんがLINEを使って「パパ活」をするケースも増えてきていますし、LINE上での子供のいじめも増えています。
お子さんをお持ちの方は、お子さんのLINEの使い方を気にかけてみてあげたほうが安心ですね。
ペアーズやタップル、Omiaiなどの出会い系SNSの利用者はコロナウイルスの影響で近年特に増えていますが、利用者が増えるにしたがってトラブルも右肩上がりになっています。
出会い系SNSで知り合った人とお付き合いをして結婚を考えていたのに急に音信不通になったり、金銭の貸し借りでお金をだまし取られたり、気軽に利用できるからこそそれが仇となって危険な出会いになってしまうリスクもあるのです。
ネットトラブルは個人にも企業にも誰にでも起こりうることですが、実際にネットトラブルの被害に遭ったらどのように対応していいか明確に理解されている方は少ないのではないでしょうか。
ネットトラブルに遭ったらまずは警察への相談を考えるかと思いますが、具体的にどの相談窓口に連絡すればスムーズに対応してもらえるのか見ていきましょう。
警察には様々な相談窓口が設置されていますが、インターネット上のトラブルに関しては、こちらのサイバー犯罪対策課に連絡するようにしてください。
地域によってそれぞれ対応窓口が変わりますので、お住いの地域のサイバー犯罪窓口を確認して連絡しましょう。
東京の窓口に関しては【03-5805-1731】への電話か、「#9110」の短縮ダイヤルが利用できます。なお、利用時間は午前8時30分から午後5時15分までの平日のみの対応となっています。
ネットトラブルでストーカー被害に発展していて緊急性が高かったり、ネットトラブルから自殺の可能性があって行方不明になったりしているなど、緊急の場合は110番通報ですぐに警察に届を出すことが重要です。
命に関わる可能性がある場合は、手遅れになる前にすぐに相談しに行くようにしてください。
緊急性がない場合は警察はなかなかネットトラブルに対応してくれないこともあります。そのような場合は探偵への相談がお勧めです。
探偵というと、浮気調査や素行調査のイメージが強いかもしれませんが、最近ではネットトラブルに関する調査に力を入れている事務所も出てきています。
どのような相談に対応してくれるのか、どのように調査してくれるのか見ていきましょう。
最近はペアーズやタップルに代表される出会い系のSNSを使って、恋人や結婚相手を探す人が増えてきていますが、気軽にできる反面、「突然相手と音信不通になってしまった」「年齢と職業が嘘だった」「既婚者かもしれない」「お金を貸した途端、LINEも電話も繋がらなくなった」というトラブルも少なくありません。
そのようなトラブルに巻き込まれた場合は、マッチングアプリ上の情報やすでにわかっている情報を元に、勤務先や住まいを調査したり、尾行調査で行動をチェックしたりという調査をしていきます。
警察がなかなか対応してくれないネットトラブルとして、家族のネット利用についてのトラブルがあります。
「パートナーがSNSで知り合った人と浮気しているかもしれない」「子供がアプリでパパ活をしている気がする」「子供がSNSでいじめを受けているようだ」など、家族のネット利用に関しての調査も探偵が得意とする分野です。
SNS上の調査だけでなく、SNS上で集めた情報をもとに実際の張り込みや尾行調査も行って浮気の証拠やいじめを受けている証拠、いじめの犯人の証拠などを集めてくれます。
警察ではなく探偵に相談すべき内容として、企業が採用する予定の人物についてのネットトラブルのリスクがあるかどうかの調査が挙げられます。
世の中には注目を浴びたいという自分勝手な理由のために、非人道的な行為や違法行為をSNS上に投稿し拡散を狙っている人が存在します。
もしそのような人物が会社に入社してしまえば、情報漏洩や炎上などのネットトラブルを引き起こすことは容易に想像ができるでしょう。問題はそのようなトラブルのリスクや性格を面接では見抜けないという点です。
探偵は採用予定者のSNSを徹底的に調査し、その人物の素の人柄を調査しリスクを回避することに役立てることが可能です。
ネットストーカーとは、SNSやオンラインゲーム、マッチングアプリなどで知り合ったことをきっかけに、SNSで執拗に書き込みをしてきたり、何度もメールや電話をしてきたりする人物のことを言います。
ストーカーの内容自体はストーカー規制法に違反するものであったとしても、実際のつきまとい行為がないと警察はなかなか動いてくれません。
探偵であれば調査を依頼すればストーカーの個人の特定や素行調査も依頼できますので、場合によっては法的手段を検討することも可能です。
ネットトラブルの被害に遭ったことがわかったら、できるだけ早く相談や対処をしていくことが重要です。
ネット上で誹謗中傷を受けたり、嫌がらせ行為をされたりする場合、ネットのスピード感は現実世界のスピード感とは比べ物にならないくらい猛スピードで広まってしまいます。
また、ネット上のダミーサイトで騙されてお金を奪い取られたという場合も、犯人はすぐにサイトを消してしまう恐れもあるので、相談までのスピードが解決のカギを握ることになります。
ネットトラブルの被害で泣き寝入りしないためにも、被害を受けたらすぐに警察や探偵など対応してくれる専門機関に相談することをお勧めします。