せっかく離婚できたのに、元夫からの嫌がらせで困っている方は少なくありません。
特に、モラハラやDVを受けていたために離婚した場合は元夫からの嫌がらせが激しくなることが多いです。
離婚後の平穏な生活を守るためには、警察や弁護士、探偵に相談することも検討すべきです。
今回の記事では、元夫からの嫌がらせに対して警察ができることや、警察以外に相談できる専門家についてお教えしていきます。
元夫が離婚に納得しておらず、元妻を恨んだり未練があったりする場合は嫌がらせをしてくることがあります。
嫌がらせにはどのようなパターンがあるのでしょうか。実際にある嫌がらせの例を見ていきましょう。
離婚後に、元妻宛に嫌がらせのメールや手紙を送り付けてくる嫌がらせは非常に多いです。
中には元妻の実家にも嫌がらせの手紙を送ってくる元夫もいます。
手紙やメールの内容に
「殺してやる」「家に火をつけてやる」「秘密をバラすぞ」
などの脅しの内容が書いてあれば、脅迫罪が成り立つ場合もありますので、手紙を保管すること、メールをスクリーンショットして保存しておくことが大切です。
元夫からの嫌がらせの電話に悩んでいる方も多いです。
手紙やメールと同じく、電話で執拗に脅してくる場合も脅迫罪が成立する場合があります。
また、元妻の職場に嫌がらせの電話をかけてくるケースもあり、その場合は業務妨害罪が成立します。
いずれの場合も、嫌がらせの電話の履歴を記録しておくことや、できれば音声データとして記録しておくことが大切です。警察に相談する際はそのような証拠があったほうがしっかりと対応してもらえる可能性が高くなります。
元夫が実家や職場に突然押しかけてくるケースもあります。さらに、教えたわけでもないのに、新居の住所を調べて押しかけてくることもあります。
実際に姿を現されると恐怖を感じてしまいますよね。モラハラやDVを受けていて、それらから逃れるために離婚したのに突然押しかけられたら身の危険を感じるでしょう。
実家や職場に押しかけてきて脅迫めいたことを発言する場合はもちろん、直接話してこなくても、無言で見張っている場合もつきまとい行為としてストーカー規制法に違反していて訴えることができることがあります。
押しかけられた日時やそのときの状況を日記に記録しておくようにしましょう。
元夫との共通の友人に元妻や子供の様子を事細かく聞きまわるケースもあります。
直接自分たちに接触してくるわけでなければ、実害はないのですが、やはり離婚後の状況を自分の知らないところで把握されているのは怖く感じてしまいますよね。
そして、友人から手に入れた情報によってストーカー行為を始めることもあります。
元夫と共通の友人がいる場合は、前もって友人に相談しておき、自分たちの現状や情報を流さないように頼んでおくといいですね。
元妻の悪い噂やデマをSNSやインターネットの掲示板などに書き込む嫌がらせをするケースもあります。
もし仮に、本当のことを書き込まれた場合でも、名誉棄損罪に問える可能性があります。
SNSに噂を書き込まれてしまうと、あっという間に多くの人の目に触れる可能性が高くなりますので、できるだけ早く対応し、警察などの専門機関に相談するようにしてください。
元夫からの嫌がらせに困ったときはどこに相談するといいのでしょうか。
特に元夫がモラハラやDVの場合、女性を見下していることがほとんどなので、一人で戦うよりも専門家とともに戦ったほうが効果的です。
元夫からの嫌がらせに恐怖を感じるような場合は、すぐに警察に相談してください。
相談する際、これまでに受けてきた嫌がらせの記録や証拠をもって相談に行くと、すぐに対応を取ってくれる可能性が高くなります。
全国にある女性福祉相談所では、元夫からの嫌がらせの相談や、モラハラ、DVに関する相談を無料で受け付けています。
また、離婚後の生活上の悩みも相談できるので、一人で悩んでしまって誰に相談すればいいかわからないときは、ぜひ相談してみるといいですね。
直接でも電話でも相談に応じてくれます。
元夫からの嫌がらせの原因が、離婚の条件に不満があるために嫌がらせをしてくるような場合は、家庭裁判所に相談し調停をもう一度行うというのも効果的です。
嫌がらせの相談先として弁護士もお勧めです。
弁護士に相談すれば、弁護士が代わりに元夫と交渉してくれるため、元夫に会わなくてもよくなります。また、もし弁護士に相談するのであれば、男性弁護士に相談するほうがいいでしょう。
モラハラやDVをしてきた元夫であれば、女性というだけで見下して威圧的な態度を取ってくるため、なかなか交渉がうまくいきにくい傾向があります。
男性弁護士で、かつモラハラ問題に詳しい人を選ぶといいですね。
警察に適切な対処法を取ってもらう場合も、弁護士に交渉してもらう場合も、嫌がらせを受けていたという証拠が必要になります。
自分で証拠を取るよりも、より確実な証拠を手に入れられます。さらに、ご自身で嫌がらせの証拠を取ろうとすると「なにやってんだ!!」と元夫に気が付かれて逆上される危険性もあります。
安全に確実な証拠を手に入れたい場合はぜひ探偵に相談してみてくださいね。
元夫からの嫌がらせに恐怖を感じるような場合は、すぐに警察に相談することが重要です。
この章では、警察に相談した場合どのような対応を取ってもらえるのか見ていきます。
待ち伏せされる、つきまといをされているなどの場合は、ストーカー規制法に違反している可能性がありますので、ストーカー規制法に基づいて警察から警告をしてもらうことが可能です。
警察を動かすためには、嫌がらせを受けている証拠が必要になりますので、待ち伏せされていることを記録した日記や、できればその情景を写メなどに残しておくのがいいですね。
パトロールに関しては、相談した警察署の対応次第になってしまいますが、親切な警察官にあたれば、元夫からの嫌がらせを受けていると言えばパトロールを強化してもらえる可能性も高くなります。
身の危険が及ぶと感じた場合は、警察にその旨を伝えれば、接近禁止命令を出してくれることもあります。
嫌がらせの詳細がわかる証拠や、緊急性が高いと判断されるような脅しの内容がわかるものを警察に提出し、対応を取ってもらうといいでしょう。
侮辱罪、名誉棄損罪、業務妨害罪などの罪に問われるようなレベルの嫌がらせだと警察が判断した場合は捜査をしてくれます。
罪に問えるかどうかは証拠があるかどうかで大きく変わってきますので、嫌がらせを受けたら記録を取るように意識しておきましょう。
元夫から嫌がらせを受けている場合、警察に相談することは大切なのですが、必ずしもすぐに対応してもらえるとは限りません。
警察には毎日大量の事件や事故の報告が来ていて、どうしても優先順位をつけて対応しなければなりません。
そして、警察官の数にも限りがあり慢性的に人員不足になっているため、事件性が低いと判断されたり緊急性がないと判断されたりしてしまうと、後回しにされてしまうのです。
警察に動いてもらえない場合は、自分で嫌がらせの証拠を取り、対処をしていかなければなりません。
そんなときに頼りになるのが探偵の存在です。探偵であれば、依頼すればすぐに捜査や調査をしてくれるため、証拠を集めることが可能になります。
証拠があれば警察も動きやすいですし、法的措置を取る場合も証拠をもとに戦うことができますので、ぜひ探偵にも相談してみるといいでしょう。
参考記事:怪文書や嫌がらせ被害で警察は動いてくれる?警察以外の有効な相談先
やはり、嫌がらせへの対応として警察に動いてもらえると心強いですし、元夫も嫌がらせを辞めてくれるようになる可能性が高くなります。
ただ、すでに説明したように、警察が積極的に嫌がらせの対応を取ってくれることは珍しく、なかなか動いてくれないことも多いのが現状です。
警察に動いてもらうためには、緊急性が高いことや、このままだと事件に発展する可能性が高いことを訴えられる嫌がらせの証拠を取ることが重要です。
嫌がらせの証拠確保は、探偵が得意とする分野ですので、警察に相談したのに対応してもらえなかった場合は一度探偵にも相談してみるといいですね。
今回の記事では、元夫からの嫌がらせを受けたときの相談先や警察を動かすためのコツについて見てきました。
嫌がらせを受けたときの対処として何よりも大切なのは、一人だけで抱え込まないということです。
そして、できるだけ早く警察や弁護士、探偵などの専門家に相談することが大切です。「こんなことで警察に相談してもいいのかな?」「大袈裟って思われないかな?」と心配する必要はありません。
元夫からの嫌がらせがエスカレートしてしまうと重大な事件に発展するリスクもあります。
ご自身と子供たちの安全のためにも、できるだけ早い対処を取るようにしてくださいね。