「最近、子供の元気がない」
「物をよく無くすようになった」
「学校に行きたがらない」
お子様に関してこのような悩みを持ったとき、子供がいじめに遭っているのではないかと不安になりますよね。
いじめはずっと昔から存在し、重大な社会問題として取り上げられ続けていますが、なくなることはなく、むしろ増え続けています。
さらに、SNSが普及するのにつれていじめの内容も複雑化、陰湿化していて、親や周りの大人たちが気付きにくくなっています。
いじめ問題は放っておいても解決することはなく、子供の心に大きな傷を残してしまいますので、早い段階で適切に対処することが極めて重要です。
そこで今回は、子供を守るためのいじめ調査について探偵による調査の方法や、調査を依頼する前にやっておくべき準備などについて詳しくお伝えしていきます。
文部科学省が発表している「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、2018年のいじめの認知件数は小学校で425,844件、中学校で97,704件です。
前年度2017年のいじめの認知件数は、小学校317,121件、中学校80,424件なので、1年間で大幅に増加しており、そしていじめ件数は毎年過去最高の数値を更新しているのです。
この数字だけでも多いですが、これらの数字はあくまでも「認知件数」なので、把握されていない、もしくは隠蔽されてしまっている数も考えると、実際にはこの数字よりももっと多くの子供たちがいじめ被害にあって苦しんでいると考えられます。
子供がいじめで悩んでいるとわかったら、多くの親御さんがまず学校に相談するでしょう。
もちろん、いじめ問題に真剣に取り組んでいる学校や教師も存在しますが、逆にいじめ問題にまったく力を入れず、隠ぺいしようとする学校や教師もいるのです。
担任の教師が明らかに自分のクラスでいじめが起きているのを知っていながら放っているケースも残念ながらあります。
教師たちは、自分の担任のクラスでいじめが起きていたとバレたら自分の評価が下がってしまうと考え隠ぺいしようとしますし、学校としては学校の評判が下がったり、場合によっては処分を受けたりすることを考えると、できるだけ隠したいと思うのでしょう。
いじめを隠ぺいするのは学校として最低なことではありますが、やはり証拠がなければ積極的な対応を求めるのが難しいのが現状です。
そのため、いじめを受けているという証拠やいじめの加害者を特定するための証拠を押さえておくことが、自分の子供を確実に守るうえで必要不可欠なのです。
「調査」と聞くと、探偵を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、探偵というと人探しだったり浮気調査だったりをメインとしているイメージもありますよね。
結論から言うと、探偵に子供のいじめ調査を依頼することは可能です。
ただし、いじめ調査には独特の難しさがあります。調査対象が子どもなので、大人が想像もしない行動を取ったり価値観を持っていたりするため、通常の大人を対象とした調査の経験だけでは難しいのです。
そのため、いじめ調査の実績や経験の少ない探偵に任せてしまうと失敗されたりそもそも断られたりすることもあるので、探偵選びは慎重に行うことが大切です。
探偵によるいじめ調査には、大きく分けて2種類あります。それぞれについて見ていきましょう。
1つ目の調査は、自分の子供はいじめられていることを認めているのに、いじめの加害者や学校はいじめがあることを認めない場合の調査です。
いじめの証拠を取ることで、いじめの加害者や学校にいじめの事実を認めさせ、場合によってはいじめ加害者の保護者や学校側に「損害賠償」や「慰謝料請求」などの法的措置を取ります。
また、いじめを加害者の保護者や学校が隠ぺいしていた場合は、「いじめが起きていたことを知っていた証拠」を集める調査をすることで、隠ぺいの事実を証明し、より強く責任を追及することが可能になります。
2つ目の調査は、いじめが起きていることを確認するための調査です。親から見て、明らかに子供の様子がおかしく、いじめが起きていると思われるのに自分の子供はいじめられていることを認めないケースに行います。
実際、探偵事務所にいらっしゃる依頼者の方は、この「いじめの事実を確認する調査」をされる方が多いです。
いじめの事実を把握できれば、子供を守るための対応も可能になってきますし、親としても事実を把握できたほうが安心でしょう。
また、この調査は1つ目の証拠集めの調査と兼ねながらできるため、最終的に何を調査のゴールとするか事前に決めておくのがいいですね。
では、具体的にどのような調査方法が使われているのでしょうか。プロの調査方法についてご紹介していきます。
尾行や張り込み調査をすることで、お子さんの様子を観察する調査方法です。
学校の中までは尾行することはできませんが、学校へ行くまでの道のりや帰り道での行動を観察することで、通学路でいじめを受けていないか、いつも一緒にいるはずの友人がいない、そもそも学校に行っていないなどの事実を掴むことができます。
そして、いじめの現場に遭遇した場合は、写真や動画で撮影して証拠として捉えることも可能です。
最近はSNSを使ったいじめや嫌がらせも増えてきています。そのため、お子さんやお子さんの周りの人物のSNSを監視してチェックすることでいじめの実態を把握することも可能になります。
大人はSNSで嫌がらせをする際、捨てアカウントや匿名のアカウントで行いますが、子供の場合は学校名を出したり自分のアカウントを使ったりしている場合もあるため、比較的多くの情報を集めることができるのです。
大人だけでなく、子供たちにとってもSNSは欠かせないものになってきていますが、SNSを使ったいじめが増えているのも事実です。
SNSでのいじめは、顔が見えない相手から文字での攻撃になるため、過激な嫌がらせや誹謗中傷につながることも多く、あっという間にいじめの被害者を精神的に追い詰めてしまうことが多いのでかなり危険ないじめです。
SNSでのいじめや誹謗中傷が原因で自殺に追い込まれてしまうことも珍しくありません。
また、SNSでのいじめは実際に体に傷もつかないので親御さんが気が付きにくいという特徴もあります。そのため、少しでも様子がおかしいと思ったらすぐに専門家に相談する必要があるのです。
そして、いじめと思われる書き込みや投稿、画像などを発見したら、いじめの証拠としてすぐに保存しておきましょう。
いじめ調査はプロの探偵に依頼するのがベストですが、依頼するにあたって準備しておいたほうがいいことがあります。
準備がしっかりとできているかどうかで、料金を安く抑えられるかどうかに関わってきますので、ぜひ以下の記事を参考にして実践してみてください。
まず、「どういう状態になることが調査依頼の最終ゴールとするか」を決めておきましょう。
調査を依頼する目的がはっきりしていると、調査方法の計画も立てやすくなりますし、探偵との相談もスムーズにできます。また、目的意識がはっきりしているほうがいじめ問題を解決するためのやる気も出てきますので、具体的なゴールを決めておくことをお勧めします。
当事務所にいらっしゃる方がゴールとされるのは以下のようなものです。
・いじめの事実があるかどうかはっきりさせたい
・いじめの加害者が誰なのかはっきりさせたい
・いじめの加害者を刑事告訴したい
・いじめ加害者の保護者に慰謝料請求したい
・いじめを隠ぺいした学校に損害賠償請求をしたい
法的措置を取りたい場合は、証拠収集の難易度も上がりますので、事前にしっかりとご家族で話し合っておくのがいいですね。
いじめ問題や加害者と思われる人物についてできるだけ多くの情報を集めておくと、より綿密な計画を立てることができ、探偵の調査がスムーズになりますので、費用を抑えることにつながります。
具体的には
・いじめの加害者と思われる子供の顔写真
・いじめの加害者の家族構成
・お子さんが通っている学校の住所と名前
・お子さんの登下校ルートや通っている塾や習い事の住所
・お子さんの一週間のスケジュール
・これまでに名前が出てきた友人の写真やプロフィール
・仲が良い友人の写真やプロフィール
・よく立ち寄っている公園や施設の名前と住所
などです。
他にも気になったことがあればメモとしてとっておき、探偵に相談する際に見せるといいでしょう。どんな些細な証拠やメモであっても、調査のプロである探偵がみることで重要な事実や証拠を見つけられる可能性があります。
すでにお伝えしましたが、すべての探偵事務所がいじめ調査を請け負っているわけではないため、いじめ調査を依頼する際は洗練された訓練をして経験を積んでいる探偵事務所を選ぶことが重要になってきます。
また、スキルがあるだけでなく、いじめ問題に一緒に取り組んでくれるような信頼できる探偵を選ぶべきです。いじめの証拠を掴むことはもちろんですが、根本的にいじめを解決するためには心から安心して任せられる探偵でなければ難しいでしょう。
契約前から親身になって話を聞いてくれるか、わかりやすく丁寧に調査内容や料金について説明してくれるか、契約を焦らせて来ないかなど、信頼できる探偵かどうかをしっかりと見極めて慎重に選ぶようにしてください。
探偵にいじめ調査を依頼することで、隠ぺいされていたいじめの事実が明らかになったり、いじめの証拠を掴んで法的措置を取れたり、いじめ問題を解決するきっかけになります。
親として子供を守りたくても、いじめに関してはなかなか親としてやれることも少ないため、専門家に依頼することでお子さんをいじめから守ってあげてください。
いじめ調査に関しての無料相談を受け付けている探偵事務所も多いので、「もしかして、いじめかも?」と思ったら、ご家族だけで悩まずに気軽に相談してみてくださいね。