カテゴリ:怪文書
職場や自宅に【怪文書】が送られてきたご経験はありませんか?
怪文書は誰から送られてきたのかわからない上に、誹謗中傷や悪口、脅迫が書かれているため、気味が悪いですよね。
怪文書トラブルは放っておくと犯人の嫌がらせ行動がエスカレートすることも多く、早めに犯人を特定して嫌がらせを辞めさせるような対応をしていくことが重要です。
怪文書の犯人を特定するうえで効果的なのが指紋鑑定だと言われています。しかし、普段の生活で指紋鑑定を依頼することはなかなかないと思いますので、指紋鑑定がどのように行われるのか、いくらくらいでできるのか、指紋鑑定はどこに依頼すればいいのかなど、わからないことだらけだと思います。
そこで今回は、指紋鑑定の概要や指紋鑑定の費用相場、そして依頼できる専門家についてご紹介していきます。
怪文書は誹謗中傷の内容を送り付けることで相手を攻撃する陰湿な嫌がらせですが、攻撃するだけでなくプライバシーの暴露をしたり、会社に送り付ける場合は企業秘密の暴露をしたりするケースもあり、早急に対処していくことが重要になります。
とはいえ、誰が怪文書を送っているのかわからなければ嫌がらせを辞めさせることもできませんし、確固たる証拠もなく犯人を決めつけてしまうのも危険です。
そこで役に立つのが専門家による指紋鑑定です。怪文書についている指紋を鑑定し犯人を特定するときの証拠として使うことができますので、犯人に対して慰謝料請求を行ったり、社内の人間が犯人であればその社員を懲戒処分したりするなどの法的措置を取ることができるようになります。
怪文書トラブルを確実かつスムーズに解決するために指紋鑑定は必要不可欠ともいえるのです。
指紋鑑定を依頼しようかなと思っている方の中には「こんなことを相談してもいいのかな」「自分が指紋鑑定を依頼するのは大げさすぎるかな」と悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そこで当事務所にいらっしゃる方の相談事例を一部ご紹介していきます。企業からのご相談だけでなく家庭での嫌がらせのご相談も多数受け付けておりますので、怪文書をはじめ嫌がらせ被害にお悩みの方はぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
【指紋鑑定についての主な相談事例】
・嫌がらせの手紙を送ってきた犯人が誰か特定したい
・職場で財布の中身を抜き取られたので、指紋鑑定で犯人を特定したい
・会社に怪文書を送ってきた人物がライバル会社の社員かどうか確かめたい
・家の壁に貼られた怪文書が近所トラブルになっている住民だと思うが確証がない
・怪文書をバラまかれてプライバシー侵害に遭ったので犯人に対して慰謝料請求したい
・会社の玄関に貼られた怪文書のせいで周りからの評価が下がったので名誉毀損で訴えたい
・怪文書で会社の企業秘密をバラまいたと思われる社員を懲戒解雇で辞めさせたい
他にも、怪文書だけでなく遺言書が本当に本人によって書かれたものなのかどうかを調べるための遺言書の筆跡鑑定や指紋鑑定のご相談もお受けしています。
指紋鑑定を行うためには指紋を検出していかなければならないのですが、指紋の検出方法もいくつかあります。
指紋の検出というと、皆さんが始めに思い浮かべるのは、丸い綿状のものでポンポンと叩いている姿だと思います。よくドラマや映画などでそのシーンを見かけますよね。あれはまさしく指紋を検出しているところなのですが、それ以外にも指紋の検出方法はたくさんあるのです。
検出方法にいろいろと種類があるのは、検出する物体の素材の種類や色によって効率的な方法が変わってくるからというのが理由です。
この章では、主な指紋の検出方法を4種類ご紹介していきます。
液体法は、指紋が付着していると思われる物件を液体の指紋検出薬にどっぶりと浸して乾燥させ、指紋を見えるようにする検出方法です。
主に紙類などから検出するのに使われますので怪文書の指紋鑑定を行うときはこの方法で行われるのが一般的です。
気体法は、指紋検出薬をガス化させて、密閉空間に充満させ、そこに指紋が付着している物件を入れて指紋を見えるようにする方法です。
主にプラスチック製品などから検出するのに使われます。怪文書が壁などにテープで貼られているときなどは、怪文書そのものだけでなくセロハンテープもこの方法で指紋検出することがあります。
粉末法は、指紋が付着している物件に粉末をかけてハケで余分な粉末を払い取り、指紋に粉を付着させてはっきりと見えるようにする方法です。
主にガラス製品などから検出するのに使われます。ドラマや映画で見られるシーンの多くはこの方法を再現しているのです。
光法は、指紋に発光薬を付着させ、そこに特殊な光を当てて、指紋をはっきりと見えるようにする方法です。ビニール製品などを調べて指紋を検出する際にこの方法が使われます。
上記でご説明したいずれかの検出方法で指紋を無事に検出できたら、犯人のものと一致しているかどうかを調べる指紋鑑定を行うことになります。
指紋の鑑定方法は、3種類ありますのでそれぞれ簡単に見ていきましょう。
指には、汗が出てくる汗腺口が無数にあります。そして、汗は汗腺を通って、汗孔と呼ばれる汗の出口から出ていくことになります。
指紋鑑定においては汗孔の形や位置が非常に重要で、汗孔の形や位置を犯人のものと照合することで人物の特定をすることが可能になるのです。
この方法が可能なのは汗孔の形や位置は人それぞれ完全に同じ人はおらず、間隔や配列は年齢を重ねても変わらないため、人物を特定することが可能なのです。
指紋の線は一定の太さではなく、一部でごくわずかに太くなったり、細くなったりしています。その太くなったり細くなったりという位置や程度がすべて同一である人はいないため、指紋鑑定を行うことができるのです。
隆線縁鑑定ではその部分を鑑定して指紋が一致するかどうかを判断していきます。
なお、隆線縁の照合は、日常生活でも馴染みがあり、スマホロックやキーロックなどの指紋認証にも利用されています。
ご存知の方も多いと思いますが、指紋の紋様はさまざまで、枝分かれしたり枝分かれした線が合流したりなど人によって様々な特徴があります。これらの特徴的な配置を照合することで人物を特定する鑑定方法が特徴点鑑定です。
一致する特徴のある部分が12個以上同一であれば同一人物だと断定でき、世界各国で採用されている指紋鑑定の方法で、3つの指紋鑑定の方法の中でも最も信用度が高い鑑定方法とされています。
怪文書の指紋鑑定を検討されている方にとって、「いくらくらいで指紋鑑定を依頼できるのか?」というのは気になるところではないでしょうか。
そこで、指紋鑑定の費用相場についてこの章で見ていきたいと思います。
怪文書のご相談を受けていると、よくお客様から「指紋鑑定はいくらでできますか?」というご質問をいただきます。
ご予算を考えるうえで、指紋鑑定がいくらでできるのか把握したいのは当然のことだと思いますが、残念ながら「答えたくても即答することは難しい」というのが正直なところなのです。
なぜなら、指紋検出物である怪文書の状態や保存状況によっても難易度が変わりますし、指紋鑑定をする目的が刑事訴訟をするためなのか、犯人を確認したいだけなのかによっても作成する資料が変わってきます。
そのためそれぞれのケースによって指紋鑑定の費用が大きく変わってくるということは頭に入れておいてください。より確実に正確な費用を知りたい場合は、指紋鑑定をする目的を決めたうえで怪文書の現物をお持ちいただければすぐにお見積もりを出すことができます。
ただ、基本的な費用はある程度目安がありますので、次の項目から目安の費用をお伝えしていきます。
怪文書から指紋を検出する作業にかかる費用はおよそ10万円~18万円ほどが相場です。ただ、怪文書の保存状態や怪文書を送られてからどのくらいの期間が経っているかによっても変わってきます。
怪文書から検出した指紋と犯人と思われる人物の指紋を照合するための費用はおよそ7万円~15万ほどです。
刑事訴訟や民事裁判、慰謝料請求などを行うことをお考えの場合は、裁判でも使えるような詳細な鑑定や証明書が必要になってきます。
この場合は基本的に見積もりをしてもらうのですが、費用はかなり高めになってしまい鑑定書の作成を含めて45万~50万円ほどかかってくるでしょう。
怪文書の指紋鑑定を依頼したいとなったらどこに相談すればいいのでしょうか。
指紋鑑定を依頼できる専門家について見ていきましょう。
怪文書などの嫌がらせ被害の相談先としてまず挙げられるのが探偵事務所だと思いますが、探偵事務所に指紋鑑定を依頼することが可能です。
探偵事務所に依頼すれば指紋鑑定だけでなく嫌がらせの犯人特定や嫌がらせの証拠収集も依頼できるので、慰謝料請求などの法的措置を取りたい場合も安心です。
ただし、どの探偵事務所でも指紋鑑定を行っているわけではなく、浮気調査専門でやっていてそもそも嫌がらせ被害の調査に対応していない場合もあるので、前もってホームページなどで対応可能な調査内容について確認しておくようにしましょう。
生物学や工学、科学を駆使して指紋鑑定だけでなくDNA鑑定や毛髪鑑定、筆跡鑑定など幅広く鑑定業務を請け負っている調査会社に依頼することも可能です。
鑑定業務を専門としているので、指紋鑑定だけでは犯人を特定できない場合などほかの方法で犯人につながる証拠を取ることができるかもしれないという点はとても魅力です。
ただし、鑑定作業までしか依頼できないため、犯人を特定出来てからのそのほかの嫌がらせ被害の証拠を集めたり裁判で勝てる証拠を総合的に集めたりすることは難しいかもしれません。その場合は犯人特定から証拠集め、法的措置のアドバイスまで総合的にしてくれる探偵に依頼したほうがいいかもしれませんね。
怪文書の内容があまりにも酷い場合や怪文書以外にも実害が出ている場合、脅迫の内容が現実味のあるものであるような場合は警察に相談するという選択肢もあります。
警察が緊急性があると判断した場合や、事件につながりそうだと判断された場合は警察のほうで指紋鑑定をしてくれる場合もあります。ただし、次の章でもお伝えしますが、警察が指紋鑑定に対応してくれる可能性はかなり低いので他の専門家に相談することを視野に入れたほうがいいでしょう。
先ほどの章で、指紋鑑定を依頼することができる専門家として警察を挙げましたが、よほど緊急性があるような事件でなければ現実的には警察が指紋鑑定をしてくれる可能性は低いのが実情です。
防犯カメラを設置していて怪文書をポストに入れている人物が判明していて後は証拠として指紋鑑定をするだけ、という段階であれば警察が動いてくれることもあるかもしれませんが、誰が怪文書を送ってきているのか全く見当もついていない状態で怪しいと思われる人物全員から指紋を採取して、怪文書の指紋と照合して・・・というのを警察が行ってくれるのはあまり期待しないほうがいいでしょう。
怪文書の指紋鑑定を依頼するのであれば、できるだけ確実に、より費用を抑えて鑑定してもらいたいですよね。
そこで指紋鑑定を依頼するにあたって知っておいたほうがいい知識をまとめていきます。
まずは怪文書を適切に保存することが何より大切です。ジップ付きのビニール袋などに入れて、余計な指紋などがつかないよう大切に保管します。指紋鑑定を正確に行う上でとても重要なステップです。
怪文書に触るときに手袋は必須ですが、できれば触らないようにすることも大切です。触ることによって犯人の指紋が消えてしまう恐れがあるからです。
また、社内の人間が会社に怪文書を送っているような場合は、証拠隠滅のために、怪文書そのものを処分しようとする可能性も考えられますので、怪文書の保管は金庫などほかの人の目に触れないような安全な場所に厳重に保管してください。
怪文書の内容をよく吟味すると、ほとんどの場合、それを書いたのが誰なのかある程度想定ができます。
自宅に送られた怪文書をよく読めば、近所トラブルになっている近所の住人なのか、別れた不倫相手なのか、出世を恨んだ同僚なのか内容から想定できます。
会社に怪文書が送られている場合も一部の関係者しか知らない内容が書かれているのであれば、社内の人間であることがほとんどでしょう。
指紋鑑定を行う上である程度犯人が絞れていると照合の際にスムーズに進みますし、探偵が調査をする際も手掛かりが多いほうが調査の難易度も下がり費用も抑えられますので、前もって目星をつけておくことをお勧めします。
指紋鑑定を行う目的はケースによって様々だと思いますが、刑事訴訟を考えていたり慰謝料請求を考えていたりする場合は裁判所に提出しなければいけなくなりますので、しっかりと鑑定書も作成してくれるサービスを選ぶことが大切です。
また、依頼前に鑑定書のサンプルも見せてもらっておくとより安心ですね。
あなたに怪文書を送ってきた犯人が誰なのか、はっきりさせて嫌がらせ被害をきちんと解決していきたいですよね。そのために指紋鑑定はとても有効な方法です。
専門家に調査を依頼することで犯人にたどりつくまでの時間を短縮し、スピーディーに被害を解決してくれるでしょう。証拠集め、犯人特定、犯人との交渉に関して、信頼できる探偵を見つけて相談するようにしてくださいね。