怪文書でお困りの方、犯人を特定されたい方向けの対策方法をお教えします

怪文書コラム
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指紋鑑定は民間業者に依頼できる?指紋鑑定を依頼する際の落とし穴

カテゴリ:嫌がらせ 怪文書

「指紋」は一人一人違った形を取っており、世界中のどこを探しても一人として自分と同じ指紋を持っている人物は存在しません。子供や孫にさえも遺伝しないため、親族であっても同じ指紋を持っている人物はいないのです。

 

また、指紋は生まれた時に形が決まっていて、それは一生変わることがないため、個人を特定する上でとても有効なものとされています。

 

テレビドラマや映画などでも、犯人を特定するために指紋鑑定が行われているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。実際、ドラマや映画の中だけでなく現実世界においても指紋鑑定を活用することで嫌がらせの犯人を特定できたり、不正の証拠を抑えたりといったことが可能です。

 

今回は、そんな指紋鑑定について、どのような状況で指紋鑑定が活用できるのか、指紋鑑定は警察に依頼すべきなのか、それとも民間業者に依頼すべきなのか、そして、指紋鑑定はどのように行っていくのかについて詳しく解説していきます。

 

さらに、実際に指紋鑑定を依頼する際に多くの方が陥りやすい落とし穴についても触れていきますので、これから指紋鑑定を依頼することを検討されている方は、ぜひ事前にチェックしてみてくださいね。

 

指紋鑑定はどんなトラブルに役に立つ?指紋鑑定を依頼する状況

指紋鑑定は指紋と指紋を照合することによって、あらゆるトラブルを解決できます。怪文書の加害者を特定できたり、社内における不正を暴いたりすることが可能です。

 

ここでは、実際に当事務所にご依頼いただいた方々のご相談事例をご紹介していきます。このようなお悩みを抱えていらっしゃる場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

怪文書や嫌がらせの犯人を特定したい

何者かによって怪文書が突然送られてきたり、自分についての誹謗中傷が書かれた貼り紙をされたり、庭にある物を壊されたりといった嫌がらせを受けている場合、犯人がわからないことには解決のしようがありません。

 

そんなとき、犯人から送られてきた怪文書や残された貼り紙などの指紋を採取することによって犯人を特定できる可能性があります。

 

偽造された文書を調べたい

亡くなった人の遺言書の内容に違和感があり、偽造されたのではないかと疑われる場合、指紋鑑定によって偽造されたのかどうかを判断できる場合もあります。

 

遺言書や契約書など、その文書によって多額のお金が動くような場合、何者かが偽造して自分に金銭的に有利になるように書き換えているケースがあります。

 

そのような場合に、残された文書の指紋を調べ、触れていないはずの人物の指紋が検出されれば偽造された可能性が出てきます。

 

偽造されたかどうかを確かめるうえでも指紋鑑定は有効な方法です。

 

怪文書や嫌がらせの身の潔白を証明したい

指紋鑑定によって送られてきた怪文書や嫌がらせの手紙の犯人を特定できるというのは先ほどもお伝えしましたが、指紋鑑定することによって身の潔白を証明できる場合もあります。

 

たとえば、真犯人があなたになりすまして別の人物に怪文書を送っていて、怪文書を送ったという罪があなたになすりつけられるような被害も増えています。犯人は巧妙にあなたになりすましているため、怪文書を送られた被害者はあなたが犯人だと思い込んでいて、なかなか身の潔白を証明することは難しいでしょう。

 

そんなとき、指紋鑑定で指紋を照合すれば、あなたが犯人ではないことを証明することができるのです。

 

関連記事:自分になりすました誰かが怪文書を送ってる⁉潔白を証明する方法とは

 

裁判用の証明書が欲しい

訴訟や裁判を起こす際、指紋鑑定の証明書が重要な証拠として使われるケースがあります。怪文書を送ってきた犯人を犯人であると断定し訴える際は確固たる証拠が必要になるため、指紋鑑定の証明書を作成することになります。

 

また、自分が犯人ではないと反証する際も指紋鑑定の証明書が有効になります。

 

指紋鑑定は警察で行ってくれる?それとも民間業者に依頼?

「怪文書の犯人を特定したいから指紋鑑定をお願いしたい」

「嫌がらせの犯人が誰か調べたいけど指紋鑑定ってどこに依頼すればいい?」

など、指紋鑑定をしたいと思っている方もいらっしゃると思いますが、いざ依頼したいとなってもどこにお願いすればいいのかわからないですよね。

 

指紋鑑定というと、警察で実施しているイメージがありますが、一般的な依頼にも応じてくれるのでしょうか。

 

この章では、指紋鑑定を依頼したいと思ったときにどこに相談すればいいのかをまとめていきます。

 

事件でなければ警察が指紋鑑定してくれる可能性は低い

ドラマや映画で警察が指紋を採取して指紋鑑定を行い、犯人を捕まえるというシーンを見たことがある人も多いと思いますので、「指紋鑑定を依頼するなら警察に行けばいい」と考える方が多いのではないでしょうか。

 

しかし、実際にはよほどの緊急性がある事件や悪質性の強い事件でなければ、警察が指紋鑑定をしてくれる可能性は極めて低いです。

 

怪文書の内容に具体的な殺人予告が書かれているなど事件性が高いと判断できるような場合は、警察が動いて指紋鑑定を行ってくれる可能性も期待できますが、大きな事件に発展する様子がなかったり、緊急性が高いと判断できなかったりする場合には、警察が取り合ってくれて指紋鑑定を行ってくれる可能性はあまり期待できないでしょう。

 

指紋鑑定は警察より民間業者への依頼がベター

警察は事件性が高く、すぐにでも犯人を捕まえなければ危険だという場合にしか指紋鑑定をしてはくれませんので、怪文書の犯人特定や嫌がらせの犯人特定などのために指紋鑑定をしたい場合は民間の業者に依頼するのがベターです。

 

近年は嫌がらせ事件や怪文書が自宅や会社に送られてくるという被害が増えているため、指紋鑑定を行ってくれる企業も増えているようです。

 

また、怪文書以外にもメールやSNSで誹謗中傷の被害に遭っている場合もあると思いますが、そのようなネット上の嫌がらせの調査にも力を入れている民間の調査会社や探偵事務所もありますので、犯人を特定したい場合は民間の業者を探してみるのがいいでしょう。

 

なお、指紋鑑定自体はインターネットで探せば専門業者が多数見つかるかと思いますが、怪文書や嫌がらせを根本的に解決するためには、犯人を特定することはもちろんですが、特定した後にどのように犯人と交渉するのか、どのようにして嫌がらせを止めるのか、動機は何だったのかなども問題になってきます。

 

そのため、指紋鑑定を依頼する業者を選ぶ際は、鑑定技術だけでなく、鑑定結果が出た後のフォロー体制についてもしっかりと見極めて選ぶことが大切です。

 

その点、指紋鑑定を専門にする業者よりは、指紋鑑定も含めた総合的な嫌がらせ調査を行っている調査会社や探偵事務所を選択肢として考えていくことをお勧めします。

 

指紋鑑定を行う方法

では、実際に指紋鑑定をお願いするとなると、どのような方法で進めていくのでしょう。ここでは、指紋鑑定を行う流れや具体的な3つの手法について確認していきます。

 

指紋鑑定をする流れ

指紋鑑定を行う流れは簡単に言うと以下のようになります。

 

1:指紋を採取する資料を用意する(嫌がらせの貼り紙や怪文書、偽造の可能性のある遺言書など)

2:犯人と思われる人物の指紋を採取する

3:資料から採取、検出された指紋と、調べたい人物の指紋を照合する

4:指紋鑑定の結果を受け取る

 

1の指紋を採取する資料を用意する際、ご自身の指紋が付いてしまわないよう、手袋をはめて慎重に取り扱うようにしてください。また、もともとついている指紋が擦れて採取しにくくなるのを防ぐために、できるだけ触れないように気を付けてください。

 

時間が経てば経つほど、ついている指紋が採取しにくくなってしまいますので、指紋鑑定を行う際は、出来るだけ早く業者に依頼して鑑定を進めてもらうことが大切です。

 

2のステップは、指紋鑑定を行う上で最も困難な場面と言えます。そもそも、犯人と思われる人物がある程度特定できていなければいけませんし、なんとなくでも犯人が想定できていたとしても、指紋を取らせてもらえるかどうかわかりません。

 

「嫌がらせの犯人だと思うので、指紋を採取させてください」と言われて快く指紋を採取させてくれる人ばかりではないでしょう。

 

指紋鑑定における指紋採取は最も難しい工程になりますので、そちらの対策については次の章で詳しくお伝えしていきます。

 

無事に犯人の可能性のある人物の指紋が採取できれば、あとは怪文書や嫌がらせの手紙、偽造の可能性のある遺言書などに残された指紋と照合すれば結果がわかります。

 

指紋鑑定の3つの手法

ここでは、指紋鑑定の方法について見ていきます。指紋の鑑定方法は、主に3種類ありますので、それぞれについて簡単に確認していきましょう。

 

☆汗腺口からの指紋鑑定

一つ目の指紋鑑定の方法は、汗をかくところを照合する方法です。

 

人には、汗をかくための汗の出口(汗孔)が体中に無数にあります。もちろん指にも汗をかくための出口がありますので、そこを鑑定に利用する方法です。

 

採取した指紋から、指の汗孔の形、配置を照合し、配列・間隔が一致するかどうかを見極めることで犯人かどうかを判断していきます。

 

☆隆線縁による指紋鑑定

隆線とは指先だけでなく、手の平にも存在する隆起している線のことで、隆線の隆起した線によって凹凸部分を生み出しており、これらの凹凸のおかげで私たちは表面が滑らかなものでも持つことができます。

 

隆起した隆線は紋様状になっていて、隆線の長さや太さは人によって異なるので、その違いを利用して指紋鑑定を行っていき、人物の特定をすることができます。

 

ちなみに、この隆線縁の照合は日常生活では指紋認証にも利用されているため、馴染み深いものだと言えます。

 

☆特徴点の照合による指紋鑑定

3つ目の特徴点の照合による指紋鑑定の方法は、現在、世界中で最も多く実施されていて、信頼度が高い指紋鑑定方法です。

 

指紋線は1本から2本に枝分かれしたり、2本が1本に合流したり、線が止まったり、始まったりしていて、それぞれ人によって特徴が出ています。

 

これらの配置を照合し、指紋が一致するかどうかを見極めることで指紋鑑定として行っていきます。

 

世界的にみても、特徴点が12個一致すれば、同一の指紋とみなすことができるとされていて、国内でも、刑事事件における判定基準は原則として12点以上の特徴点の一致とされています。

 

3つの指紋鑑定の方法の中でも最も信用度が高い鑑定方法なので、民間や公的機関の指紋鑑定でも採用されている方法です。

 

指紋鑑定の結果

指紋鑑定を行った結果は、下記のように鑑定結果として受け取ることができます。

 

・合致(同一人物)

・不合致(別人)

・鑑定不能(照合鑑定できるレベルの指紋が採取できない)

 

たとえば、送られてきた怪文書の犯人を特定するために指紋鑑定を依頼した場合、怪文書に残っていた指紋と、犯人と思われる人物から採取した指紋が「合致」すれば、その人物が怪文書を送ってきた犯人であると断定できるということです。

 

他の例でいえば、何者かによってなりすましをされて勝手に怪文書を送られてきたとしたら、怪文書に残っていた指紋と自分の指紋が「不合致」という結果になれば、あなたが怪文書を送った犯人ではなかったと身の潔白を証明することができるということです。

 

鑑定不能となってしまった場合は、残念ながら怪文書の保管状態が悪く指紋が採取できなかった可能性もありますし、犯人と思われる人物の指紋をうまく入手できなかった場合もあります。

 

いずれにしても、せっかく指紋鑑定を依頼したのに、どちらとも結果が出ないとなると時間もお金も無駄にしてしまうことになります。そうならないためにも、怪文書など証拠となるものの保管は丁寧にしておくことと、できるだけ早く鑑定に出すことが大切です。

 

また、犯人かどうかを知りたい人物の指紋採取はプロに依頼してより確実に指紋を取れるようにすることも重要と言えます。

 

指紋鑑定において最もネックになること|意外な落とし穴!?

指紋鑑定そのものは、専門業者であればしっかりと鑑定してもらうことができますし、証明書の発行もお願いできます。

 

指紋鑑定をするうえで最もネックになり、多くの方が断念せざるを得なくなる原因は「犯人の指紋が入手できない」ということです。

 

先ほどの指紋鑑定の方法や結果の部分でも触れましたが、指紋鑑定を正確に行うためには、鑑定してもらいたい資料(怪文書や嫌がらせの貼り紙、遺言書など)に残された指紋と、犯人かどうか調べたい人物の指紋が必要になります。

 

前者の指紋は、しっかりと保管ができていれば問題なく採取できるのですが、後者の犯人かどうか調べたい人物の指紋はそう簡単に手に入るものではありません。また、場合によっては犯人の可能性のある人物が誰なのか想定すらできない場合もあるでしょう。犯人が誰か見当もつかなかったり、想定はできても指紋が入手できなかったりすると、せっかくの指紋鑑定も意味をなさなくなってしまいます。

 

では、そのような状況のときはどのように対処すればいいのでしょう。結論から申し上げますと、犯人の可能性のある人物が誰なのか調査をしてくれて、なおかつその人物の指紋を採取する調査もしてくれる調査会社や探偵事務所に依頼することで、指紋鑑定におけるネックを解消することができます。

 

探偵であれば、自宅付近や勤務先などで張り込み調査や聞き込み調査を行って怪しい人物を絞り出すことができますし、怪しい人物の尾行調査を行うことで指紋を採取することが可能です。さらに、犯人の行動調査を行っていく中で、なぜ嫌がらせをしてきているのか動機も調べてもらうことができますので、今後の再発防止につなげたり、犯人とスムーズに交渉することができたりといったことも期待できます。

 

まとめ

嫌がらせトラブルや怪文書トラブル、遺言書の偽造疑惑において、指紋鑑定はとても有効な方法で証拠としてかなりの効力を持ちます。

 

警察ではなかなか事件性がないと動いてもらえませんので、指紋鑑定は民間の業者に依頼するのが良いでしょう。

 

ただ、本文でもお伝えしたように、指紋鑑定には指紋を採取するというステップが必要で、それには探偵の調査力が必要になることがあります。犯人の可能性のある人物が快く指紋を採取させてくれれば問題ありませんが、犯人が特定できていなかったり、指紋採取に応じてもらえなかったりする場合は、ぜひ嫌がらせ調査に力を入れている探偵に相談すると良いでしょう。