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隣人トラブルの末に放火される被害も|放火を未然に防ぐためにできること

カテゴリ:近所

隣人トラブルに巻き込まれた経験をお持ちの方は少なくないと思いますが、まさか隣人トラブルが発展して、家に火をつけられてしまう…なんて被害は想像もしたことがない方が多いのではないでしょうか。

 

しかし、世の中には隣人トラブルで相手に強い恨みを持ってしまったために放火という行動に出てしまう人も存在します。

 

放火されれば大切な家が持ててしまい資産を失ってしまいますし、最悪の場合命を落としてしまう危険性もあります。

 

「ただの隣人トラブルであたふたする必要はない」と軽く考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、長年積もりに積もった恨みが放火や殺人という事件に発展することもありえますので、隣人トラブルを軽く考えるのは危険なのです。

 

今回は、隣人トラブルが実際に放火事件につながってしまった事例の紹介や、放火する人の心理状況、放火事件に巻き込まれるのを防ぐための対策について解説していきます。

 

隣人トラブルに悩まされている方や、事件に巻き込まれないために対策をしていきたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

隣人トラブルが放火につながるケースも…

まずは、隣人トラブルが放火事件にまで発展してしまったケースについて見ていきましょう。

 

東京町田市の放火事件

2019年12月22日、東京の町田市能ヶ谷にあるアパートで火事があり、同アパートに住む60代の男性が放火の容疑で現行犯逮捕されるという事件が発生しました。2階建てのアパートで放火によって火災が発生し、1階と2階のおよそ70平方メートルと近隣の住宅など3棟が燃える被害となりました。全員避難できたため、けが人はおらず人的被害はありませんでした。

 

犯人の男性は普段から近隣トラブルが絶えない人物で、放火直前にも近隣で建築工事をしている業者と口論になっていたことがわかっています。犯人の男性は業者との間で半年前から騒音をめぐって近隣トラブルを起こしていて、怒鳴り散らすなどの行為を繰り返していました。

 

他にも、数年前にアパートの住人と大声で喧嘩して警察騒ぎになったり、よく近隣住民と喧嘩をしているのを目撃されたりなど過去にも近隣トラブルを多数起こしていたのです。

 

博多市博多区の放火事件

2014年2月11日未明に福岡県福岡市博多区諸岡にある木造アパートで隣人トラブルが原因となっている放火事件が起きました。

 

この事件は同アパートに住む無職の男性(48)が起こしたものとして逮捕されています。

 

警察が近隣住民による目撃情報などをもとに、放火現場の隣の部屋に住む容疑者の男性に事情を聞いたところ、「自分が火をつけました」と放火を認めたため逮捕に至りました。この火災によって、アパート2階の1室が全焼しましたがケガ人はいませんでした。

 

容疑者の男性は警察の取調べに対し「隣に住む男の、日頃の騒音に我慢が出来なかった。文句を言いに行ったら逃げたため、火をつけた。火は部屋にあった新聞紙を持って行ってライターで火をつけた」などと供述しています。騒音トラブルがこじれた末の放火事件です。

 

隣人トラブルの末に放火してしまう人の心理状況とは

近所の住民とトラブルになることはあっても、まさか家に火をつけられてしまうなんて多くの方が想像もしないでしょう。では、隣人トラブルをこじらせて放火してしまう人たちはどのような心理状況になっているのでしょうか。

 

恨みや復讐

近隣トラブルがこじれた末に放火事件に発展してしまうケースでは多くの場合、強い恨みが根底にあると考えられます。

 

その建物や部屋の中にいる人物に対して恨みや復讐心を抱いていていると、建物内や部屋の中にいる人物を殺害したり、相手にダメージを与えたりするために放火に至るのです。

 

最初は、「生活音がうるさい」「子供の鳴き声がうるさい」「境界線をまたいでくる」「ゴミ出しのルールにうるさい」など些細な揉め事だったはずなのに、長い年月をかけてそれらのストレスがどんどんと大きくなり、相手の家や部屋に火をつけるまでに爆発してしまうのです。

 

権威への反発

自分よりも強い存在、権威のある存在に対して、反抗するために放火に至るケースもあります。

 

近隣トラブルになった相手が自分よりも社会的立場が上で普段なかなか言い返すことができなかったりすると、権威への反発という形で行動に起こしてしまうのでしょう。

 

近隣トラブルとは少し違いますが、通っている学校や勤めている会社に放火するケースはこの心理が働いていることが多いです。

 

楽しんでいる

放火そのものを楽しんでいたり、放火されてあたふたしている被害者を見て喜んでいたりする心理も考えられます。

 

トラブルになっている相手が困っていたり、被害を受けてショックを受けていたりするのを見ると満足するタイプの人物だと、放火以外にもあらゆる嫌がらせを今後もしてくる可能性が高いでしょう。

 

脅し

相手を脅す目的で放火をしているパターンもあります。

 

放火している時点ですでにかなりの恐怖を感じますが、犯人としては、放火以上のこと(暴力を直接加えたり、誘拐したり、殺人行為をしたりなど)をするぞという脅しをして、相手に恐怖を与えようとしている可能性もあります。

 

被害妄想

被害妄想癖のある人は、「常に誰かに嫌がらせをされている」「隣人が自分を殺そうとしている」「隣人が自分の悪口を言いふらしている」などと思い込み、実際にはそのような事実はないのに信用しようとせず、自分を正当化して相手を攻撃しようとするケースがあります。

 

隣人の被害妄想が原因で近隣トラブルになり、挙句の果てに被害妄想から放火に至るケースもあります。

 

もし隣人がそのような被害妄想癖の持ち主で、ありもしないことを言い出してトラブルになったり、意見が食い違ったり、自分を正当化して話し合いにならなかったりする場合は、さらに大きな被害に発展するリスクがあるので注意が必要です。

 

隣人に放火されるのを防止するためにできること

自分の大切な財産に火をつけられて全焼してしまったり住めなくなってしまったりしたら大きなダメージですよね。

 

どうすれば隣人トラブルから放火事件に発展することを防止できるのでしょうか。ここでは、放火被害に遭わないためにできることをお伝えしていきます。

 

放火犯の行動パターンを理解しておく

隣人トラブルによって頭に血が上り、突発的に犯行に及ぶケース以外では、放火する時間帯は夕方から深夜といった夜間が中心です。

 

また、放火で火をつける場所は外構部分や物置、ゴミ置き場など人気のない場所が中心となります。

 

もしトラブルになっている隣人が夕方から夜間に家の周りをうろうろしていたり、部屋の様子をうかがっていたりする場合、放火を目論んでいるリスクがあると警戒したほうがいいかもしれません。

 

ゴミや物を外に放置しない

放火を狙われる物件には共通する特徴があります。庭にゴミや不用な物が置きっぱなしになっていたり、軒下に段ボールが積み重ねられていたり、廃タイヤが放置されたままになっていたりすると、「放火してやる」と考えている隣人の背中を押してしまうことになるでしょう。

 

放火する犯人はマッチやライターで放火をはたらくことが多く、簡単に着火できるものが家の周りに多ければ多いほど、放火される被害に遭う可能性が高くなってしまいます。

 

防犯対策をしっかりとしておく

近隣住民とトラブルになっていても必ず放火被害に遭うとは限りません。放火されないような対策がしっかりとされていれば犯人も放火という選択肢は取らなくなるかもしれません。

 

まずはご自身の自宅や部屋を確認し、敷地内への出入口は必ず施錠されているように徹底したり、物陰になる場所はセンサーライトなどで人目に触れやすくしておいたりなど放火されにくい環境にしておくことが大切です。

 

また、防犯システム機器を設置することも放火被害防止に役立ちます。防犯カメラを設置したり、ホームセキュリティを活用したりして防犯対策を徹底しておきましょう。

 

万が一の放火被害に備えた対策もしておく

放火被害に遭わないようにしっかりと防止策をしておくことがもちろん大切ではありますが、万が一本当に隣人トラブルで放火被害に遭ってしまった場合に備えて、逃げ遅れて最悪の事態になってしまうのを防ぐための対策もしておきましょう。

 

具体的には、

・住宅用火災警報器が設置されているか確認する

・火災警報器の期限が切れていないか確認する

・火災の避難経路を家族全員で確認しておく

・避難経路にあたる通路には障害物となるものを置かない

・防火戸がある場合、開閉の障害となるものを置かない

など基本的な火災対策をしておくといいでしょう。

 

早めに専門家に相談しておく

隣人トラブルが放火事件にまで発展するようなケースは、多くの場合「やっぱり」「ついに起こったか」「あの人はやると思っていた」などという感想を持つことがほとんどのようです。

 

放火するという行為をするような人物は、普段から危険性を感じるケースが多いため、少しでも身の危険を感じることがあればできるだけ早めに警察や弁護士、探偵などの専門家に相談しておくことが大切です。

 

「あまり大事にしたくないから」という理由で専門家への相談を後回しにしてしまう方が多いようですが、事が起こってからでは遅いですし、取り返しのつかない事態になってしまっては元も子もありません。

 

隣人トラブルで身の危険を感じたときはどう対処すべき?

隣人トラブルは放っておいて自然に改善するケースは極めて稀です。一度、ご近所同士の関係がこじれてしまうと、トラブルはどんどんエスカレートしてしまいますし、相手の恨みや怒りが爆発すると放火事件や傷害事件、殺人事件にまで発展する危険性もあります。

 

少しでも日々の生活において身の危険を感じることがあれば、早めに対処をしていくことが重要なのです。

 

役所に相談する

役所は、市役所や区役所、町役場、県庁など地方自治体の行政を担っている機関のことで、近隣トラブルの対応にも応じてくれます。

 

地方自治体には住民の福祉を守る義務がありますので、一定の執行力を持っています。騒音トラブルやゴミに関するトラブルであれば、多くの住民が迷惑に感じている可能性が高いため、対応もスムーズにしてくれることが多いです。

 

また警察では刑事事件に発展していなければ「民事不介入の原則」があるのでなかなか近隣トラブルに対応してもらえませんが、役所であれば住民同士のトラブルの間に入って解決を図ってくれるのが大きなメリットです。

 

警察に相談する

先ほど民事不介入の原則のために警察は近隣トラブルの対応に応じてくれないとお伝えしましたが、事件性が低い場合は警察相談専用電話ダイヤル(#9110) に相談することでアドバイスをもらえます。

 

こちらの窓口では、相談業務を専門に担当する警察安全相談員などの職員が、相談者のプライバシーの保護や心情、境遇などに配慮しながら相談に対応してくれます。近隣トラブルがそれほど悪化していない段階であればこちらでの相談でも解決できる可能性があります。

 

事件性が高い場合や、身の危険をすでに感じている場合は、躊躇せず110番通報したり、被害届を出したりして警察に状況を訴えていきましょう。

 

すでに嫌がらせ被害で物が壊されていたり、放火未遂をしていたりする場合は、捜査して逮捕するなどの対応を取ってくれますし、パトロールを強化してくれるなどの対応も取ってくれるでしょう。

 

探偵に証拠を集めてもらう

身の危険を感じるような嫌がらせ行為をされていたり、脅迫を受けていたりするケースであっても、犯人であるという確固たる証拠がない場合や、嫌がらせ被害の証明ができない場合、警察が動いてくれない場合もあります。

 

また、仮に警察が動いてくれても被害の証拠がなければ犯人に言い逃れされてしまう可能性もあります。

 

警察にしっかりと動いてもらい、逮捕してもらうためにはある程度犯人であるという証拠を提示することが大切です。

 

また、探偵に調査を依頼しておけば、放火をしようとしていることが事前に把握できますので放火被害を未然に防ぐことも可能になりますし、その他の嫌がらせ行為に関しても犯人であるという証拠を押さえつつ実際の被害を回避することも可能になるでしょう。

 

放火などの犯罪行為をする隣人を逮捕してもらったり、損害賠償請求をしたりする場合にも証拠が必要不可欠ですので、できるだけ早めに調査を依頼しておくことをお勧めします。

 

まとめ

隣人トラブルはどの地域においても、どの物件に住んでいても起こる可能性のある問題で、いつ自分の身に降り注ぐかわかりません。

 

ご近所さんとうまく人間関係を築けていければいいですが、相手が被害妄想癖があったり、精神的に不安定な人だったりするとなかなかうまくいかないでしょう。

 

たかが隣人トラブル、と甘く考えず、トラブルになってしまったら早めに役所や警察、探偵に相談して放火や傷害事件、殺人事件など大きな被害にならないように対処をしていくことが重要です。