長期の休みが明けて久しぶりに会社に行ってみたらいつもと様子が違う・・・
連休中に誰かが侵入して嫌がらせしたようだ・・・
このように、連休中に会社に何者かが侵入して嫌がらせをし、連休明けに嫌がらせ被害に気が付いてご相談される経営者の方が非常に多くいらっしゃいます。
当事務所にも、ゴールデンウイークやシルバーウィーク、年末年始の連休明けに「会社に怪文書が届いていました!」「会社の社用車にいたずらをされて車が使えなくなりました!」というようなご相談が増える傾向にあります。
連休中は基本的に会社の中には誰もいなくなりますので、犯人からすると嫌がらせをする絶好の機会なのでしょう。
そこで今回は、連休中に嫌がらせをしてくる可能性のある人物や嫌がらせをする理由、嫌がらせをされてしまった場合の適切な対処法、そして専門家に嫌がらせ調査を依頼した場合、どのように犯人を特定してくれるのか解説していきます。
せっかくの連休なのだから、嫌がらせなんかせずに趣味に時間を使ったり家でのんびりリラックスしたりすればいいのに・・・と思いますが、中には連休で会社に人が出入りしないことを良いことに嫌がらせを考える人もいるようです。
嫌がらせをしてくる可能性のある人物とはどのような人物なのでしょうか。
一番考えられるのは、会社に不満を持つ社員でしょう。普段から上司や社長に対して不満を持っていたり、同僚からいじめを受けていたりする社員は、休み中に会社に忍び込んで恨みを持っている他の社員のデスクに嫌がらせをしたりします。
また、「仕事をしたくない」「連休明けに会社に行きたくない」という感情を極度に持っている社員は、嫌がらせをすることによって連休明けにいつも通りの業務ができずに、会社が機能しなくなることを期待して嫌がらせをするケースもあります。会社が機能しなくなれば、自分も嫌な業務をせずにすむと安易に考えているのです。
あなたの会社の業績を妬んでいるライバル会社の社員が嫌がらせをする場合もあります。この場合も、嫌がらせをすることによって経営陣や社長の手が取られて通常業務に支障が出るのを期待しているのです。
また、社用車のタイヤをパンクさせたり、窓ガラスを割ったりするような器物破損を行うことで金銭的なダメージを与える目的の嫌がらせをするケースもあります。
あなたの会社にもあなたが知らないところで社内不倫が起きている可能性ってありますよね。その場合、社内不倫をしている未婚女性が連休中に嫌がらせを仕掛けてくることがあるのです。
会社に出勤できるときは、約束しなくても不倫相手と会社で会うことができますが、連休中となるとなかなか不倫相手とは会うことができなくなります。
不倫相手に会えず、連絡もなかなか取れずにいる間に
「彼はなんだかんだ言って奥さんが大切なんだ」
「自分は一人で寂しく連休を過ごしているのに彼ばっかり家族と楽しく過ごしていて許せない」
「結婚していない自分ばかりが損をして結婚していて奥さんがいる彼は何も失っていない」
などと悶々と考えてしまい、居ても立っても居られなくなり会社に嫌がらせをしにくるのです。
連休中に家族サービスをしている不倫相手を持つ女性と逆になりますが、社内不倫をしていることを疑っている奥さんが会社に嫌がらせをするケースもあります。
連休中にも関わらず、家族との時間を大切にせずに不倫相手と出かけていることを考えるとむなしくなり、どうしても許せない感情になるのでしょう。
普段は会社に出かけていて、会社から帰ってくるのが遅かったとしても「残業かな」「取引先と飲み会なのかな」と自分で自分を納得させられることもできるでしょうが、連休中となると「なぜ出かけるの?」「なぜ家にいてくれないの?」と普段ため込んでいるストレスが爆発してしまうのかもしれません。
いずれにしても、社内不倫は嫌がらせを含めさまざまなトラブルの原因になりますので、経営されている会社での社内不倫を放置することは危険と言えるでしょう。
久しぶりに会社に出社した時、嫌がらせに気が付いたら誰もがショックを受けパニックになってしまうと思いますが、嫌がらせの対処は適切に行うことが大切です。
焦って取り乱してしまうと犯人の思うつぼですし、犯人特定につながる証拠を自ら消し去ってしまう恐れもあります。
まずは落ち着いて、以下のように対処していくようにしてください。
まずは、慌てずに、嫌がらせの内容がわかるように記録や保存をしましょう。タイヤがパンクさせられていたらパンクの状況がわかるようにいろいろな角度から複数の写真を撮っておくべきですし、怪文書が送られた場合であれば、しっかりと原本を保管してください。
怪文書を保管する場合は、できるだけ素手で触らず、クリアファイルやジップロックなどに入れて保管してください。指紋や筆跡はもちろん、紙質やインクなどは犯人特定するための有力な手掛かりになります。
他にも嫌がらせの内容や被害状況がわかるようにしっかりと記録しておきましょう。不安であれば、調査会社にその場ですぐに連絡して必要な証拠として保管してもらうのも有効です。
嫌がらせの内容が怪文書の場合は、必ず原本のコピーを取っておいてください。
警察や調査会社、社内の信用できる人物に怪文書の相談をするとき、そのまま提供する必要がある場合もあります。その場合は原本ではなくコピーで対応するようにしてください。
会社に嫌がらせをしてくる犯人は、社員や社員の家族、取引先など身近な人物である可能性が高く、こちらの反応をうかがって、行動を監視している可能性が高いです。
そのため、目立つ行動や取り乱した反応、犯人の気持ちを逆なでするような言動は控えるように心がけましょう。常に犯人に見られている、監視されているという意識を持って行動するようにしてください。
嫌がらせの状況から、身の危険を感じるようなケースでは、すぐに警察に相談するようにしましょう。
たとえば、怪文書に「殺すぞ」「会社を燃やしてやる」「社長の子供を誘拐する」などの脅迫めいた内容が書かれていれば、刑法上の立派な脅迫罪になります。
脅迫罪が成立する場合、警察に被害届を提出すれば、捜査を進めて嫌がらせの犯人を逮捕してもらえる可能性もありますし、このような嫌がらせを放っておくと犯人の行動がエスカレートしてより深刻な傷害事件につながる可能性も出てきますので、早めに警察へ相談するようにしましょう。
嫌がらせ問題を本当の意味で解決するためには、嫌がらせをしている犯人を特定することが重要です。そして、特定と同時にその人が犯人であるという証拠をそろえることも必要です。
また、警察に嫌がらせについて相談した際、嫌がらせの内容によっては積極的に捜査を開始してもらえないこともありますが、犯人を特定できていて証拠もそろっていれば警察も動いてくれるようになります。
決定的な証拠としては
・社用車などに嫌がらせをしている現場の写真や動画
・会社に不法に侵入している現場の写真や動画
・怪文書についている指紋と犯人の指紋の照合結果
・怪文書の筆跡と犯人の筆跡の照合結果
などが挙げられますが、これらを正確に集めるためには専門的な技術が必要になりますので、専門家に依頼するのがベストです。
また、自分で証拠を取ろうとしたり、犯人を特定しようとしたりすると、逆に大きなトラブルに巻き込まれてしまうリスクもありますので、まずは専門家に相談しながら対策を立てていくようにしてください。
証拠集めや犯人特定のための調査は専門家に依頼したほうがいいとお伝えしましたが、専門家はどのような調査をして犯人を特定しているのでしょう。
ここでは、嫌がらせの調査を探偵に依頼したときに行ってもらえる専門調査について解説していきます。
警察が捜査をするときも同様ですが、探偵事務所に調査を依頼した場合、張り込みや聞き込み調査を行って目星となる人物を絞り込んでいきます。
張り込みや聞き込みは素人で見よう見まねで行ってもミスが多くなり犯人に余計警戒されたり調査していることがバレて手掛かりを隠滅されたりするリスクが高くなりますので、ご自身で行うのは危険です。
嫌がらせの内容が怪文書という場合は指紋調査も有効な調査手段になります。ただし、怪文書の保存状態が悪い場合やほかの人の指紋がたくさんついてしまっている場合は指紋調査で犯人の特定が難しくなりますので、時間がなるべく経たないうちに相談しておくのが理想です。
嫌がらせの手紙が手書きで書かれている場合は筆跡鑑定も有効な手段です。筆跡鑑定はより専門的な技術が必要になるものなので、探偵事務所によっては専門家が常駐しているケースと他の業者に依頼するケースがありますので、筆跡鑑定をどのように行う予定か事前に確認しておくと安心でしょう。
さまざまな調査から犯人の目星がついたら、尾行調査を行います。尾行調査によって犯人の自宅や勤務先を特定し、最終的に本名や住所を特定していきます。
場合によっては、犯行がなぜ嫌がらせに及んだのかという動機や共犯者を突き止めることも可能となります。
今回は会社に嫌がらせをされるケースに的を当てて解説してきました。連休中は会社に誰もいない時間が長くなる期間ですので、犯人が嫌がらせをするには絶好のチャンスとなってしまいます。
連休明けに嫌がらせの対応に追われないよう、休みに入る前に防犯カメラを設置しておいたり防犯ブザーを設置したりする対策をしておくのもいいでしょう。
万が一、嫌がらせの被害に遭ってしまったら今回ご紹介したように適切に対応し、できるだけ早く解決できるように調査を行ってください。