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社員からの嫌がらせへの最適な対処法と嫌がらせを受けないための予防策

カテゴリ:嫌がらせ 職場 誹謗中傷

会社を経営していると、時に社員からの嫌がらせに悩まされることがあります。

 

非人道的な行動で会社を陥れようとしたり、社内の風紀を乱して他の社員のモチベーションを下げたり、ネットに誹謗中傷を書き込んで社会的信用を落とそうとしたりなど、職場環境に重大な悪影響を及ぼすような社員を抱えて、どうするべきかお悩みの方もいらっしゃると思います。

 

このように社員から嫌がらせを受けている状況は、改善するための時間と労力がかなりかかってしまうため、つい他の業務を優先して嫌がらせを放置してしまいがちな方も多いでしょう。

 

しかし、嫌がらせを放置してしまうと、嫌がらせの内容がエスカレートしてしまったり、他の優秀な社員に悪影響を及ぼしてしまったりなどさらなるトラブルに発展するリスクが高くなります。

 

そこで今回は、社員から嫌がらせを受けた場合の適切な対処方法や、社員から嫌がらせをされないために普段からできる対策についてお伝えしていきます。

 

社員からの嫌がらせにお悩みの際は、ぜひ参考にしてみてください。

 

社員からの嫌がらせ被害を放置することの危険性

嫌がらせ被害に対して十分な対応を取ることは、通常業務にも影響が出てしまうため、後回しにしてしまいがちですが、嫌がらせを放置することで以下のようなさらなる問題が生じる可能性が出てきてしまいます。

 

問題が拡大してしまうと、他の優秀だった社員にも問題が広がり、経営者が会社をコントロールできなくなってしまいますし、会社の業績の悪化も避けられないでしょう。

 

嫌がらせを放置することで懲戒処分が困難になる

懲戒処分は、嫌がらせをしてくる社員に対して会社として対処できる処分ですが、嫌がらせ行動を放置していると、懲戒処分を行うことが困難になってしまう可能性があります。

 

懲戒処分は、嫌がらせをする社員に対して会社が必要な指導や面談を繰り返し行い、それでも改善されない場合に認められるものです。

 

もし、嫌がらせを放置して目をつぶり、必要であると考えられる社員への指導や処分を行ってこなかった場合、いきなり懲戒処分をしてもそれまでに会社として取るべき行動を取っていないとして、裁判所で懲戒処分が無効と判断される場合があるのです。

 

他の社員のモチベーションが下がり離職につながる

同じ会社の社員が会社に対してや上司に対して嫌がらせを行っていることが周りに知られてしまうと、社内の風紀や人間関係が悪化し、他の社員の精神状態に大きなダメージを与えかねませんし、結果としてモチベーションが大きく下がってしまいます。

 

結果として優秀な他の社員たちが転職を考え会社を離れてしまう危険性が高くなるのです。優秀な社員の離職増加は、業務効率が下がるだけでなく採用コストが増えてしまいますので、会社にとっては大きなダメージとなってしまうでしょう。

 

逆パワハラに発展してしまう

社員からの嫌がらせを放置してしまうと、嫌がらせをする社員が開き直って堂々と嫌がらせをするようになることがあります。それがエスカレートすると、いわゆる「逆パワハラ」の状態に会社が陥ってしまうケースも多いのです。

 

逆パワハラとは、上司の指示を無視したり、上司からの注意を「パワハラだ」と騒ぎ立てたり、上司や経営者に対して威圧的になったりすることを言います。

 

このような逆パワハラが直属の上司だけでなく、経営者や経営幹部に対してまで行われるようになってしまうと、会社での自力での解決が困難となることが多いです。

 

このような手遅れの状態になる前に、嫌がらせに対してきちんと対応を取ることが重要です。

 

参考記事:モンスター社員の部下から逆パワハラ!対処法と解雇するために必要な事

 

会社に対してさらなる攻撃をすることも

嫌がらせを放置していると嫌がらせをしている社員本人は「このくらいだったら懲罰もないし会社もダメージを受けないんだな」と錯覚して、さらなる攻撃をしてくる可能性があります。

 

さらなる攻撃としては、会社からパワハラ、セクハラを受けたとして事実無根の状態で会社を訴えてくるケースや、SNSに会社がブラック企業だと書き込んで炎上させられるケースなどがあります。

 

なお、このようなさらなる攻撃をされ始めたとわかったらできるだけ早く嫌がらせ調査を行って犯人特定の証拠や嫌がらせ被害の証拠を集め始めておくことが大切です。

 

社員から嫌がらせをされた場合の適切な対処方法

では、社員から嫌がらせをされていることが発覚したら、どのように対処していくのが正解なのでしょう。

 

この章では、嫌がらせを受けた時に経営者として取るべき適切な対処法をお伝えしていきます。

 

嫌がらせ被害の証拠を押さえる

まずは、どのような嫌がらせを受けたのか、社員から受けた嫌がらせによってどのような悪影響が出ているのか、嫌がらせをしているのは本当にその社員なのか、という証拠を押さえることから始めましょう。

 

たとえば、ある社員が上司に嫌がらせをしたことによってその上司が出勤できなくなってしまったという証拠や、ある社員のSNSへの書き込みによって内定の辞退者が出てしまったという証拠など、嫌がらせ被害の証拠を集めてください。

 

ただし、このような被害の証拠は素人で集めようと思っても法的効力がないものばかりを集めてしまうことが多いので、調査のプロである探偵に調査を依頼したり、法律のプロである弁護士に相談しながら進めたりするほうが確実です。

 

嫌がらせなどの問題行動に対して指導する

嫌がらせなどの問題行動が社内で起きていたら、直ちに指導し、改善を試みることが対応の基本でありとても重要なことです。

 

指導することで反発をされてさらに厄介になることを恐れて見て見ぬふりをしたり、嫌がらせはするけれど成績は優秀だからと見て見ぬふりをしたりすると、嫌がらせ行動がさらにエスカレートする可能性が高くなります。

 

きちんと社員と向き合って、嫌がらせ行動を起こすたびに繰り返し指導していくことで、改善されることも期待できます。なお、指導をするときは、感情を入れずに、端的に問題点を伝えるようにすることと、嫌がらせ行動をしているのがその社員本人であるという客観的な証拠を押さえてから行うのがポイントです。

 

証拠がない状態で指導しようとしても、言い逃れされて指導に応じない場合がありますので注意してください。

 

指導後も定期的に面談する

嫌がらせ行動に対して一度指導したからと言って安心するのは禁物です。指導を行った後も定期的に面談を実施するようにしましょう。

 

できれば2週間に1回、少なくとも1か月に1回面談を実施し、社員がどのような意識で仕事しているのか、どのような不満を抱えているのかをヒアリングするようにしてください。そして、面談時に経営者または上司からフィードバックを返すことで、会社側の意向を理解させていくことも可能になるでしょう。

 

このようなこまめなコミュニケーションを取ることで、嫌がらせ行動が改善され、面談で意思疎通ができてくることで社内の雰囲気も良くなっていくでしょう。

 

懲戒処分を検討する

嫌がらせ行動が起きた時に都度指導したり、定期的に面談を行ったりしても社員による嫌がらせが収まらず改善されない場合は、懲戒処分を検討することも視野に入れていくことが必要になります。

 

懲戒処分には、「戒告」、「減給」、「出勤停止」、「降格」、「退職勧奨」「懲戒解雇」などがあり、嫌がらせ被害の被害状況や悪質性などのレベルに応じて適切な懲戒処分を選択することが大切です。どの懲戒処分を行うのが適切かという判断は専門的な知識が必要になりますので、弁護士に相談しながら進めていくほうが安心でしょう。

 

懲戒処分は仰々しいしできれば行いたくないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、懲戒処分を行うことで本人に対して警告を与えることができると同時に、他の社員に対しても会社に嫌がらせを行うことは許されないことだという会社の姿勢を明確にできるため、経営者が会社をコントロールしやすくなるというメリットもあります。

 

社員からの嫌がらせを受けないために普段から行うべきこととは

社内で嫌がらせが起きてしまったらその事態を収拾させるのに会社のリソースを使ってしまうことになるので、できれば未然に防ぎたいところでしょう。

 

この章では、社員から嫌がらせを受けないために普段から実践すべきことをまとめていきます。

 

正しく査定を行い賞与や昇給に反映させる

社員の勤務成績や勤務態度についての査定を行い、その査定を元に賞与や昇給を決定していくということは社員からの嫌がらせ被害を防ぐために有効な方法の一つです。

 

社員が会社に対して攻撃的な態度をとったり、嫌がらせ行動を取ったり、会社についての誹謗中傷をしたりする場合、その背景には自分が正当に評価されていないという思い込みがあることが多いです。また、嫌がらせ行動を取ったとしても自分の立場や給料、賞与には悪影響が出ないと高を括っているケースもあります。

 

そのようなことを防ぐためには、社員全員が納得するような査定方法で正しく査定を行うことや、社員が会社の業務命令に従わなかったり、嫌がらせ行動を起こしたりした場合に、賞与や昇給において不利益を与える仕組みを作ることが必要となるのです。

 

定期的に全社員との面談を行いコミュニケーションを取る

先ほど、嫌がらせ行動をしてきた社員に対して、指導することに加えて定期的に面談を行うことが重要だとお伝えしました。

 

もちろん、嫌がらせする社員への面談は最重要ですが、問題を起こしていないほかの全社員に対しても面談を定期的に行いコミュニケーションを取ることが嫌がらせ被害を防止するうえで有効な対策です。

 

面談の際は、社員の考えや様子をヒアリングすることに加えて、会社や経営者の考えや意向についても丁寧に説明していくことがポイントです。

 

インターネット利用ガイドラインの教育を徹底する

社員が会社に対して嫌がらせをする場合、インターネットやSNS上で誹謗中傷を書き込むなどの方法で行うケースが近年急増しています。

 

インターネット上に誹謗中傷を書き込まれてしまうと、瞬く間に世界中にその内容が拡散してしまうリスクもありますし、永久的にネット上に残り続けるデジタルタトゥーという状態になってしまうリスクもあります。

 

参考記事:デジタルタトゥーとは|デジタルタトゥーで採用前に問題社員を見極める

 

嫌がらせを未然に防ぐために、普段からインターネット利用についてのガイドラインの教育を徹底しておくことも有効です。

 

嫌がらせをしている本人は軽い気持ちでインターネットに書き込んでいることも多いため、どれほどの被害が出る可能性があるのか、ネット上で嫌がらせをすることで自分にはどのような罰則が科せられるリスクがあるのかをしっかりと理解させておくことで、このような嫌がらせを未然に防ぐことにつながります。

 

参考記事:社内不正を防ぐためのネット利用ガイドラインの重要性と記載すべき項目

 

採用予定の人材には雇用調査を行う

社内での嫌がらせを防ぐうえで、そもそもそのような嫌がらせ行動を取りうる社員を採用しないという方法も実践すべきです。

 

採用前にその人物の危険性や本質を見抜くために近年多くの会社で取り入れられているのが雇用調査という調査方法です。

 

雇用調査は、人事調査や採用調査とも呼ばれていて、会社が新しく人材を採用する際にその人物を採用しても会社に不利益はないか、問題を起こすリスクが高くないかどうかを調べるための調査です。

 

採用予定の人物に対して雇用調査を行っておけば、社内で嫌がらせ問題を起こすリスクを減らすことにつながるでしょう。

 

まとめ

今回は、社員から嫌がらせを受けた場合の適切な対処方法や、嫌がらせを受けないために普段から実践できる対策についてお伝えしていきました。

 

社員が嫌がらせをすることに対して経営者側が適切な対応をせずに放置してしまうと、嫌がらせ行動がますますエスカレートして、いざ指導しようと思っても指導を受け付けなくなってしまうリスクがあります。

 

嫌がらせ被害が小さいうちにきちんと問題の社員と向き合って指導し、改善を試みることが必要であることを確認しておきましょう。

 

また、指導をしても一向に改善されない場合は、懲戒処分や解雇を検討することになると思いますが、その際は嫌がらせ被害の証拠収集や社員の行動調査が必要になりますので、探偵に調査を依頼することも視野に入れておいてください。

 

そして、実際に懲戒処分を行う段階になったら労働問題に精通している弁護士に相談しながら進めていくといいでしょう。