子供たちにとって学校は毎日のように通う場所であり、勉強するためだけの場所ではなく、友達との交流を深め、人として精神的にも成長するための場所です。
そんな特別とも言える場所に、もし本人に関する誹謗中傷や悪口が書かれた怪文書が送られてきたら、子供が受けるショックは計り知れないものになるでしょう。
怪文書として送られてきているので、すぐに誰が犯人なのかわからないため、怪文書を受け取ったことによるショックだけでなく、誰がそのような事をしたのかわからず人間不信に陥ってしまう危険性もあります。
しかし、残念なことに、怪文書トラブルを学校に相談しても、なかなかこちらが望むような対応は取ってくれないことがほとんどです。被害者としては怪文書の犯人を見つけて謝ってもらいたかったり、場合によっては刑事告訴や損害賠償請求をしたかったりという希望があるかと思いますが、学校としてはそのための対応はなかなか取ってくれません。
そこで今回は、学校に怪文書が送られてきた場合、どこに相談するのがベストなのか、どのように対処していけばスムーズに解決するのかを解説していきます。学校が思うような対応を取ってくれないからと言って、犯人探しを諦めて泣き寝入りすることだけは避けましょう。
わざわざ怪文書として紙に誹謗中傷や悪口を書き、それを学校に送り付けるという行動を取っている犯人は、相手に対してかなり強い恨みを持っていることが考えられます。
ネットへの書き込みや嫌がらせのメールなどは比較的労力が少ないため、軽い気持ちでやってしまう人もいるかもしれませんが、怪文書をわざわざ送ってきたということは、強い恨み、妬み、苛立ちを相手に対して持っていることが多いです。
学校に怪文書を送っているということは、同級生や先輩後輩、教師など学校関係の人物が犯人だと考えられ、その動機は
「●●のほうが自分よりも成績が良くてムカつく」
「●●に部活のレギュラーの座を取られて恨んでいる」
「●●に恋人を取られたので仕返しがしたい」
「●●に交際を断られて恨んでいる」
など様々です。
ほとんどのケースで、犯人の勝手な逆恨みや勘違いなどが原因で被害者に非がないことが多いのですが、怪文書を送られた時点で被害者は大きなダメージを受けることになってしまいます。
被害者の心の傷を少しでも癒すためには、一刻も早く犯人を特定し、謝罪や慰謝料などで本質的に解決していくことが重要となります。
では、学校に怪文書が送られてきた場合、具体的にどのように対処すればいいのでしょうか。
学校が思うような対応を取ってくれないのであれば、どこに相談するのがベストなのでしょうか。
ここでは、犯人が特定できた時に、刑事告訴や損害賠償請求をすることも想定して対処法や相談先について解説していきます。
怪文書が送られた場合に重要な事は、まず怪文書の現物を保管するということです。
自分を誹謗中傷するような内容が書かれた怪文書なんてすぐにでも捨てて目に入らないようにしたい気持ちはわかりますが、怪文書に残された指紋や筆跡、消印などは有力な証拠となり、犯人を特定する上で重要ですので、捨てたり破いたりせず、できれば届いた状態に近い形で保存しておきましょう。
また、いつ怪文書が届いたのか、それ以外に不審な事はなかったか、怪しい態度を取ってきていた人物はいなかったかなど、小さなことでもいいので起きた変化などを記録として残しておきましょう。
なお、怪文書を保存する際は、手袋などをして素手で触れないようにすること、ビニール袋などに入れて保管することなどに注意しましょう。できるだけ現物はそのままの状態で保管しておきたいので、誰かに見せたりするときのためにコピーを複数取っておくことも有効です。
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怪文書被害は一人で抱え込んでいても精神的に辛くなってしまうだけです。絶対に味方になってくれる家族に相談し、一緒に闘ってもらいましょう。
また、怪文書を送ってくるような犯人は相当な恨みを持っていますので、ターゲットだけでなくその家族にも危害を加えようとする可能性もあります。自分以外の家族まで被害に遭わないよう、前もって家族に相談して今後の対策を練っておくことが重要です。
怪文書被害に遭っても学校はほとんど何も対策を取ってくれないことが多いとお伝えしましたが、中にはいじめ問題に力を入れている学校や、責任感の強い教師がいる場合もあります。
大々的に犯人探しはできないかもしれませんが、クラス内の様子をいつも以上に観察したり、様子がおかしい生徒がいないか見てもらったりなどの対策を取ってくれるケースもあります。
また、学校内にカウンセラーがいる場合、被害に遭った子供の精神的なケアを担当してくれる場合もありますので、学校としてどこまでの対策が可能なのかを確認しておくと良いでしょう。
怪文書の内容に「殺してやる」などの脅迫めいた内容が書かれていて、危険を感じるような場合は、警察にもすぐに相談するようにしてください。また、脅迫罪や名誉毀損罪、傷害罪などで犯人を刑事告訴することを視野に入れている場合も警察に相談しておくと良いでしょう。
ただ、現実問題として怪文書トラブルでは警察はよっぽどの場合でなければ動いてくれないのも事実です。怪文書を送った犯人がわからなければなおさら動いてくれないことが多いです。
そのため、警察に相談してなかなか動いてくれないとなった場合は、保存しておいた怪文書の現物を元に調査したり、次にご紹介する探偵に相談するという方法で犯人を特定したりすることが必要になってくるでしょう。
怪文書は嫌がらせのために送り付けるものなので、当然ながら差出人は書いてありません。そのため、すぐには送ってきた犯人が誰なのかわかりませんし、なんとなく犯人の想定ができていても素人の力では犯人と断定するための証拠集めはできません。
しかも警察も犯人が誰なのか特定できていない場合、積極的に捜査をしてくれないことがほとんどなので、探偵に証拠集めの調査や犯人特定の調査を依頼することはトラブル解決においては必要不可欠と言えるでしょう。
プロの探偵であれば訓練された技術と専門性の高い知識、特殊な機材を元に確実に犯人特定や証拠収集を行ってくれます。
学校に送られた怪文書被害を根本的に解決するためには犯人の特定が必要不可欠ですが、探偵はどのような調査を行って犯人を特定してくれるのでしょうか。
ここでは、怪文書被害に対して探偵がどのような調査方法を行って解決してくれるのかご紹介していきます。
怪文書が手書きで書かれている場合、犯人特定において筆跡鑑定が役立ちます。
ただ、筆跡鑑定は専門性の高い調査なので、すべての探偵事務所が受けてくれるわけではありません。調査を依頼する前に、筆跡鑑定もできるかどうか確認しておきましょう。
怪文書が手書きで書かれておらずパソコンで書かれたものを印刷している場合、筆跡鑑定はできませんが、指紋鑑定であればあらゆるケースで犯人特定に役に立ちます。
指紋は人それぞれ違っていて固有のものなので、指紋鑑定で犯人だと特定できれば確固たる証拠となり裁判でも有効に使うことができます。
ただし指紋鑑定を正確に行うためには、怪文書をできるだけ届いたときと同じような状態で保管しておくことが必要となります。また、指紋鑑定も筆跡鑑定と同様、専門性の高い調査となりますので、調査を依頼する前に必ず指紋鑑定が可能かどうか確認してくださいね。
筆跡鑑定も指紋鑑定も、犯人が誰かある程度想定できている場合には有効ですが、まったく誰が送ってきているのかわからない場合はあまり役に立ちません。
そのような場合は、聞き込み調査を行って犯人が誰なのか目星をつけていきます。ただ、学校での怪文書被害の場合、聞き込みの相手は子供になることが多いため、かなり高度な技術が必要となります。子供相手の聞き込み調査は大人相手の聞き込み調査の比にならないくらい難易度が高いのです。
そのため、探偵事務所の中でもいじめ問題に力を入れていたり、いじめ調査の実績が豊富であったりする探偵を選ぶことをお勧めします。
聞き込み調査である程度犯人の目星がついたら、証拠を集めるために尾行調査を行っていきます。
尾行中にさらなる嫌がらせ行為があれば決定的な瞬間を押さえることができますし、調査を通して怪文書を送ってきた動機なども探ることができます。
怪文書のような嫌がらせトラブルは人間関係のもつれが根底にあることがほとんどのため、警察に訴えれば必ず解決するとも限りません。どのような恨みがあるのか、恋愛感情のもつれなのか、ただの愉快犯なのか、犯人の動機をしっかりと把握したうえで最適な解決法を考えていくことが重要になります。
今回は、学校に怪文書が届いた場合の対処法や相談先、探偵が行える調査方法についてご紹介してきました。
怪文書被害に対して、被害者の方が望む解決はそれぞれで、ただ謝ってほしい、刑事告訴したい、お金で解決したい、など様々だと思います。
しかしいずれの解決法を選ぶにしても、犯人を特定することや、犯人であるという確固たる証拠を集めることは必須になるでしょう。そのための調査は専門性が高くなってしまいますので、確実に行うためには是非プロの探偵の力を借りてみてください。