アパートやマンションの他の住民から嫌がらせを受けると恐怖を感じてしまいますよね。
近所トラブルくらいで警察に相談するのは気が引けると考えてしまう人も多いのですが、嫌がらせがひどくなる前に警察に相談したほうが安全です。
今回は、アパートやマンションに住んでいて嫌がらせを受けた場合に、どの機関に相談するべきなのか、そして警察に相談する場合の手順や注意点についてご紹介していきます。
アパートやマンションではどのような嫌がらせが多いのでしょうか。
嫌がらせのパターンを見ていきますので、もしご自身が受けている嫌がらせと似ているようであれば、すぐに対応したほうがいいでしょう。
アパートで最も多いのが、大きすぎる騒音を出されるという嫌がらせです。
昼間だけでなく、早朝や深夜にも騒音を出されて日常生活がままならないような場合はすぐに警察などに相談しましょう。
騒音による嫌がらせを受けているのであれば、騒音の様子を音声データとして記録しておくといいですね。
アパートの玄関に嫌がらせの張り紙をされるケースもあります。
「死ね」「マンションから出ていけ」「不倫女!」
など侮辱的な内容の張り紙を貼られている場合、侮辱罪として訴えることも可能な場合がありますので、貼られた嫌がらせの紙は捨てずに保管しておくことが重要です。
また、最近では
「コロナ感染者!」「周りに感染させる前に出ていけ」
などの嫌がらせの紙を貼られることも増えてきています。この場合も嫌がらせの紙は捨てずに取っておきましょう。
アパートやマンションには住民が見られる掲示板が設置されていることがほとんどだと思いますが、そこの掲示板に個人を特定したうえで嫌がらせの内容を書かれる場合があります。
アパートやマンションの掲示板は住民なら誰でも見られるものなので、悪い噂がアパート中にすぐに広まってしまいます。
嫌がらせの内容の真偽に関係なく、あなたの悪い噂が公然の場に晒されてしまうとその後アパートに住み続けることが難しくなる場合もありますので、できるだけ早い対処が大切になります。
アパートやマンションで嫌がらせを受けることなどの近所トラブルはよくあることなので、多くの方が軽く考えていると思います。
「近所トラブルくらいで騒ぎにしたら大袈裟だ」
「騒音くらいで警察沙汰にするのは良くない」
と自分だけでなんとかしようとしている方も多いでしょう。
しかし、近所トラブルを甘く見てはいけません。
2017年の北海道で近所トラブルが発展して殺人事件にまでなってしまったという事件がありました。
“北海道警美唄署は20日、美唄市の路上で男性を殴って殺害しようとしたとして、殺人未遂の疑いで同市東5条北3丁目、無職、大学和行容疑者(44)を現行犯逮捕した。殴られた塾経営、若沢知已さん(53)は搬送先の病院で死亡が確認された。署は殺人容疑に切り替えて調べる。
署によると、2人は同じアパートの住人。若沢さんは19日、大学容疑者との騒音トラブルを署に相談していた。大学容疑者は「やられる前にやった」などと話しているという。
逮捕容疑は20日午後9時20分ごろ、アパート近くの路上で、若沢さんの顔面を鈍器のような物で複数回殴り、殺害しようとした疑い。通行人が110番し、駆け付けた署員が大学容疑者を逮捕した。”
引用元:産経デジタル
すべての近所トラブルが大事件になるわけではありませんが、少しでも恐怖を感じる場合はすぐに警察に相談し、対策を取っていくようにしてください。
アパートやマンションでの嫌がらせに困ったら、どこに相談すればいいのかご紹介していきます。
まずはアパートやマンションの管理会社に相談してみましょう。
ある程度聞く耳を持っている住民であれば、管理会社から忠告されれば嫌がらせを辞める場合もあります。
また、アパートの契約の規約に反している行為の場合、賃貸契約を解除するように求めてもらえる場合もありますので、どんな嫌がらせを受けているのかという記録とともに管理会社に相談してみてください。
管理会社に相談してみても解決が難しそうな場合は警察に相談してください。
また、嫌がらせの程度がひどく、危険性が高いと感じる場合はすぐに警察に相談したほうが安心です。
ただ、警察には毎日膨大な量の事件や事故の相談が来ているため、緊急性が低いと判断されてしまうとすぐに対応してもらえないことが多いです。
警察に相談してもすぐに対応してもらえない場合は、探偵事務所に相談してみることをお勧めします。
探偵事務所であれば、依頼すればすぐに調査をしてくれ、嫌がらせの証拠を掴んでくれます。犯人の特定や、その人が嫌がらせをしているという確たる証拠を取ってくれますので、その証拠をもって警察に相談すれば対応を取ってくれる可能性が高くなります。
また、嫌がらせの証拠さえあれば侮辱罪や名誉棄損罪として訴えることもできるようになります。
警察に近所トラブルや嫌がらせを相談する場合は、被害届の提出が必要になります。ここでは被害届の重要性や提出方法を見ていきましょう。
警察に嫌がらせを相談する場合、被害届を提出することになります。
被害届を提出すれば、嫌がらせをしている犯人に
「自分がやっていることに対して被害届を出されてしまった」
と心理的な圧力をかけることができます。
また、被害届を提出しておけば、さらなるトラブルが発生したときの通報がしやすくなりますし、犯罪として認められれば相手を逮捕してもらうことも可能になります。
被害届の提出方法についても見ていきます。
被害届の紙は交番や警察署で入手することができます。
記入する内容は
―被害者の住居・職業・氏名・年齢
―嫌がらせの被害を受けた年月日時
―嫌がらせの被害を受けた場所
―被害を受けた様子
―被害金品(品名、数量、金額、特徴、所有者など)
―犯人の住居、氏名または通称、人相、服装、特徴等(不明の時は分からないでOK)
―遺留品その他参考となるべき事項
の7項目です。
被害を受けた様子や犯人についての内容を書く必要がありますので、被害を受けたらできるだけ早く被害届を提出しに行くことが重要です。できれば嫌がらせを受けた当日に行くのがいいですね。
参考記事:怪文書の被害に遭ったら|被害届の出し方と警察に動いてもらうコツ
警察は市民の安全を守ってくれる頼れる機関であることに違いはないのですが、アパートやマンションでの嫌がらせにすぐに対応してくれるとは限らないのが現状です。
参考記事:怪文書や嫌がらせ被害で警察は動いてくれる?警察以外の有効な相談先
警察には多くの事件、事故の相談が毎日寄せられていて、警察官の数が慢性的に足りていません。
そのため、嫌がらせの相談ではなかなか積極的に対応してもらえないことも多いのです。
警察を動かすためには、嫌がらせをこのまま放置してしまうと重大な事件に発展する可能性がある、緊急性が高いと判断してもらうことが必要になってきます。
また、警察にすぐに動いてもらうためには、嫌がらせを受けているという証拠が必要になります。
逆に、嫌がらせの犯人が特定できていて、しかもその人が犯人であるという証拠もある場合は、比較的警察もすぐに動きやすいのです。
また、アパートでの嫌がらせで多い騒音の場合、発生した音量がどのくらいのものであるのか計測器で測ったり、騒音が原因で精神的に参ってしまった場合は医師の診断書をもらったりすると警察も対応しやすくなります。
被害届を提出し、名誉棄損罪や侮辱罪で訴えたり損害賠償請求することを考えたりしている方は、ぜひ専門家を活用することをお勧めします。
自分一人で正確な書類を作成するのはかなり困難で、もし書類に不備があると
「この証拠は法的に有効でない」
「この嫌がらせは犯罪行為として認められない」
といって突き返されてしまうこともありえます。
ですので、早い段階から弁護士や行政書士などの法律の専門家に相談しておくことが大切です。
さらに、嫌がらせを受けていたことを証明できる証拠を掴む必要があり、それは弁護士や行政書士では対応できません。嫌がらせの証拠を掴みたい場合はぜひ探偵に相談してみるといいですね。